ひな

愛人 ラマン/恋人・ラマンのひなのレビュー・感想・評価

5.0
めくるめく繰り返される、果てしなく静かな、果てしなく激しい愛の日々。狂気と絶望に提われた母親、その母親から溺愛される暴力的な上の兄、その兄に一方的な支配をされる下の兄。お互いが傷つけあって暮らしている異様な家庭関係の中で疎外された孤独な少女が、心に深い傷を持ちつつも目に見えない何かを恐れている中国人青年の孤独を目にして、決して恋というものではなく、自分の知ることもなかった本能的な衝動につき動かされ、半ば義務感のようなものからお互いの孤独を埋め合わせるために、ひたすら愛し、抱き合う。
退廃的で閉鎖的な仏印で華僑の青年とフランス人の少女が織り成す愛の話。少女の回想で話が進んでいく演出が素敵。主人公の美少女はため息が出るほど魅力的。原作の方も読んでみたい。
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