無名のひと

Virginia/ヴァージニアの無名のひとのネタバレレビュー・内容・結末

Virginia/ヴァージニア(2011年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

小さな街スワンバレーには、7つの面全てが違う時刻を示す時計塔と、エドガー・アラン・ポーが訪れたことのあるチカリングホテルが名物だった。
湖の対岸には、夜毎火を焚いて、フラミンゴという男をリーダーに若者たちがたむろしている。
そんなスワンバレーにホラー作家ホールが訪れる。
保安官ボビーがホールの本を買い求め、彼も小説を書いているのだと言う。
ボビーは、数年前に殺人事件があった情報をもたらすのだった。
また、小説のネタになると保安官事務所に死体を見に来ないかと誘う。
そこには、杭を刺された女性の死体があった。
ボビーはホールに、一緒に本を書かないかと提案する。
その日ホールは、借金に苦しんでいる妻に、原稿料の前借りを頼むように言われ、酒浸りのことを責められる。
苛立ち紛れに森へ向かうホールは、歯科矯正の器具をつけているヴァージニアという少女に出会う。
廃墟だったはずのチカリングホテルが経営されており、中に入ってみると地面になにか違和感を感じる。
店主によれば、それはかつて13人の子どもが殺され生き埋めにされている墓地なのだと言う。
ホールが外へ出ると、中から子どもたちと牧師も出てきた。
ホールに助けてほしいと訴え、姿を消すヴァージニア。
ホールがポーと出会ったところで、彼はホテルで目を覚ます。
ホールはチカリングホテルについて調べるために図書館に向かう。
そこには、子どもたちが犠牲になった事件について書かれていた。
牧師曰く、時計台には悪魔が住み着いているのだとか、子どもたちの魂を救わなくては悪魔の餌食にされてしまうといった話もあった。
ホールはボビーに小説の共著を受けると言う。
ボビーの構想では、タイトルは「吸血鬼の処刑台」で、大人びた12歳ごろの家出少女を主役に考えているようだった。
杭は犯人の名刺代わりで、杭には指紋はなく、杭がゆっくりと胸に突き刺す処刑装置で殺されるのだと、人形に杭を突き刺すサンプルを見せるボビー。
ホールは、担当者に新しい小説を書くと前借りを頼み、あらすじを朝までに送ることを約束。
パソコンの前に腰かけたホールは、酒を飲みながら執筆に入るが、酒が進むばかりで原稿は少しも進まない。
ホールは睡眠薬を飲んで眠りにつく。
ポーに再会するホール。
ポーは、ホールに小説の手解きをし、13人の殺された子どもたちについて語る。
牧師は、悪魔や吸血鬼から子どもたちを守るために魔除けの薬を体に塗るなどしていた。
目を覚ましたホールは、保安官事務所でボビーやその助手たちとウィジャボードをする。
杭を打たれて死んだ少女を殺したのは誰かと質問すると、“B”とまで文字が動いたが、ボビーによってか強制的に終了されてしまう。
ボビーは、犯人はフラミンゴだと主張、逮捕しようとするも、フラミンゴはバイクに乗って走り去っていった。
ホールは時計塔に上るが、管理人は悪魔の呪いを恐れて逃げ出してしまう。
鐘が鳴り、落下してしまうホール。
再びポーと出会ったホールは、牧師は子どもたちが吸血鬼になるくらいならと殺してしまったことを教えられる。
フラミンゴに助けられたヴァージニアはひとり難を逃れるものの牧師に捕らえられ、壁の中に生き埋めにされてしまう。
それらを夢で見たポーは、ヴァージニアを想い様々な作品の登場人物として描いたのだった。
ボビーに起こされて目を覚ましたホール。
ボビーはホールに、前借りした一万ドルの半額と、小説に自分を登場させ、女ばかりを殺すよう要求。
ボビーに殴られて気絶したホールは、再びポーの元に。
しかし、もうここに来ては行けないと言われ、真実と向き合うように伝えるのだった。
ホールは娘ヴィッキーをボート事故で亡くした過去がある。
娘に誘われていたけれど、女と一緒にいた上に飲み過ぎていたために行けず、もし自分が行っていたらヴィッキーが死なずに済んだのかもしれないと後悔しているのだ。
ようやく過去と向き合うことができたホール。
目を覚ましたホールが保安官事務所に向かうと、そこには、保安官助手が殺害されており、ボビーは首を吊って自殺していた。
死体安置所に向かい、杭の刺さった死体の布を取り払ってみると、それはなんとヴァージニアだった。
杭を引き抜くと血を吹き出しながら身を起こし、ホールの首に歯を立てるのだった。
場面変わって、担当編集者はホールの本の出来映えを絶賛。
本はそこそこ──3万部売れているという。
その後、フラミンゴの姿を見たものは誰もいない。



意味が分からんかったーーーー!!
夢の中でポーと語らいながら頭の中を整理し案を練り、スワンバレーでの出来事に刺激を受けて小説を書いたということなんだろうけど。
どのあたりが本の内容?
「吸血鬼の処刑台」がベースになってるん?
ポーの語りはどれも興味深かった。
それにしても、両方の時間軸に存在するフラミンゴという男は一体何者なのか?
ボビーはなぜ助手を殺して自殺したのか?
今になってなぜ?
本当に自殺?
何日もずっと杭が刺さったまま検死もされず放置されてた遺体は腐らんかったんか?
なぜ検死すらされてなかったのか?
分からん…。
意味も良さも分かれなかった。
ポーの作品をもう少し数読んでたら理解が違ったのかもしれないし、楽しめる要素が増えていたかもしれない。
最後、歯をむき出しにしたヴァージニアの歯科矯正器具が飛び散ってホールの体にぺちぺち当たるシーンはちょっとシュールで笑ってしまった。
まだ十代前半の、早熟で美しいエル・ファニングが見れただけでも満足。
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