バケモンか。
言葉の応酬。文字の暴力。崩壊寸前の人間関係。えげつないショット。
本音のぶつけ合いという名の罵り合いのシーンは最初シナのルーレットっすか?とか思ったけど登場人物たちが喋りだした瞬間にその言葉数と熱量に圧倒される。
そして終盤の煙突風景から始まる超ロングショットは小津映画を彷彿させると共に濱口独自の陰影法を用いることで映画史上屈指の奇跡的キスシーンを爆誕させることに成功した。
他にも教室シーンのカットの切り替えとか、バス車内の人物配置とかぎこちのないクローズアップとか、卒業制作品とかそういうの抜きにしても今の日本映画のレベルでは考えられない領域に到達している。
とにかく、濱口竜介がいる限り日本映画界はまだ死なない。