たまねぎ

スタンド・バイ・ミーのたまねぎのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
4.8
幾回目2021/10/26
大人になってしまったゴーディの書く小説にそって進行する物語
ナラタージュはこの物語と相性がよく4人の少年の中に割り入る大人の低く落ち着いた声が実に小気味よい。
少年ゴーディの心情を大人ゴーディが説明するような箇所も何度かあり(大人ゴーディの書く小説にそっているので小説の文字、言葉による心情表現が映像になったため)わかりやすく心情が解説されているような形になりその分感情移入もしやすく物語全体のノスタルジックな後味も誘いやすくなっているのだと思った。
自分の昔話を語る際に自分でもどこから作話か分からないし小説家となると演出のために少し話を盛ることも日常茶飯事だろう、きっとそのおかげでこの物語にも大人ゴーディの作話が混じっているはず。
昔から違和感を感じていた少年ゴーディが線路の上で鹿に出会いその後に大人ゴーディによって「このことは誰にも話さなかった、大切にしまっておいた」といった旨の解説が語られるシーン
なんとなく要らなかったような気もするし物語に後から付けたような違和感があったが大人ゴーディが自身の小説をよくするために作話したと考えると少し乱暴な気もするが納得いく。
どこからが作話か明確にわからない分こんな感じで見た人各々に別の解釈に落ち着くところも作品の奥行きになっていいなと思った。
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