yuumi

BIUTIFUL ビューティフルのyuumiのネタバレレビュー・内容・結末

BIUTIFUL ビューティフル(2010年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

主人公が
幼い子供を残して
死に直面するときに
出来る事、

お金を残してあげる事
それを託せる人で、
子供を育ててくれる人を探すこと。

主人公が亡くなるところで
映画は終わります。
というか、
終わらない映画なのかもしれません。
投げかけられても返せないくらい
重い内容。

この映画の続編が、
近い未来に出来て、
その結末が
ハッピーに描かれる日が来ることを願いたい。

自分だけが生きて死んで行く分には
目の前のことを
クリアしていけばいいかもしれないけど、
守るものがあるときに
ただ目の前のことを乗り越えているだけでは
ダメ

先を考えて、
先手を打って、
人の何倍も努力しないと
普通の生活を送れない人がいる。
というか、
努力してもしてもしても
環境や境遇のせいで
報われない人もたくさんいる。

過去にはもちろん現在にも、
人種的な問題など、
生まれながらの問題で、
まともな生活を送れない人もたくさんいる。

職につけないから違法なことをする、
どこにも住めないから不法滞在するしかない、
そんな人達と比べたら、
めちゃくちゃ幸せな環境にいる私。
この映画を暖かい部屋で観て、
どういう意味の映画なのかなー
なんて考える環境を知らない人達にしか、
本当の意味で
この映画のメッセージは
わからないのではないかと思います。

「お前らにはわかんねぇだろ?」

ってことを丸投げしたい映画なのかなー!?

とすら思ってしまう。

この映画から何かを得ようとするのではなく、
この映画を観て、
こういう世界があって、
過酷な状況で生きている人がいる事を
現実のものなんだと認識し、
生きるとはどういう事なのか、
世界とはどういうものなのか、
どこから貧困が生まれ、
どう解決するべきなのか、
考え、実行する力を持つ人がいたら
どうにかしてくれー
と丸投げの映画のような、
でも大きな強いメッセージがあるような、
ざっくりとすら
納得いかない映画ではありますが、

ただ映画鑑賞をする分には、
キャストの演技も上手いし、
展開や問題も見飽きるものではないので、
大変見応えがあると思います。

主人公の設定が、
霊能力者の仕事と
違法な仕事の二足のわらじを履いていて、
貧乏な生活を幼い子供二人と送り、
自分は末期ガンで妻は精神病
頼れる人なんかいない上に
事故で大量に殺人を犯してしまう

という不幸盛りだくさんの設定。

結末は、
主人公が亡くなるところで終わるので、
その後、
救われたものがいたのかどうか
わからない、
というか、
恐らく誰も救われない。
誰か、後に救われるんだとしても
観ているこっちはなんとも言えない気持ちで
放置される映画。

主人公も、
亡くなった中国人の人達も、
死んでやっと
貧困や苦しみのループから
抜け出せたのではないかな
と、
不謹慎にも思ってしまうくらい
辛い毎日で、
そこで人生が終わる人にとっては
それでいいのかもしれないけど、、

次の世代に何か残すためには、
勉強する事がまず必要。

主人公が娘に
間違った綴りを教えるシーンは
そういうことも示唆しているのかな?

タイトルも間違った綴りなので、
そこから考えると、
全ての人に教育を!
ってことを
言いたいのでしょうか?

ということは、
主人公の娘と息子は、
学校に通い、教育を受けているので、
救われるのではないか?!

と、
考えて考えて
やっと少し光が見えたような気がしますが、
それもこちらが勝手に観ている光で
実際どうなるかわかりません!

貧しい中
保護者が一人もいなくなって、
救われるパターンはきっと稀。

救われない、
報われない、
生きられない人たちみんなが、
平穏な暮らしを送る日は来ないだろう。
だから
せめて
「今、自分がいる幸せな環境に感謝」
なんて甘っちょろい気持ちじゃ
終われない話でした。

どんな気持ちになるか、
観終わって何を考えるか、
いろんな人の意見が聞きたくなる映画!

難しい!!

レビューとか観ながら
2回観て、
独断と偏見で感想を絞り出さないと、
前に進めないくらい
辛い内容だった。
yuumi

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