るな子

カンパニー・メンのるな子のレビュー・感想・評価

カンパニー・メン(2010年製作の映画)
3.8
見ていて辛くなることが多々ありました。
なんというブラック企業。
ボビーが受け入れなければならない現実と、そんなボビーとフィルとの家庭環境の対比が特に胸を締め付けました。

なりたい自分とは違う道へ行くことになってしまったボビーの「本当なら今頃はCEOになっていたのに…。」と本音を吐露するシーンに胸が痛みました。
現実を受け入れなきゃいけないけど、受け入れ難い。
理想を求められない、諦めるしかない、現状を考慮すると今までと同じようには生活が出来ない。
どれをとっても辛いとしか言いようがないです。

しかし、それでもボビーが頑張れたのは家族が居たからだと思います。
自分のことを支えて寄り添ってくれた奥さんの存在がフィルとの一番の違いであるように見えました。

フィルの方は奥さんの理解がなかったことも彼を精神的に追い詰めていった一因ではないのかな、と思いました。
「18時まで帰ってくるな。近所に夫が失業したとバレる。」だなんて言われたら病みますよね…。

タラレバですが、ボビーもフィルと同じ運命を辿っていた可能性があると思ったので2人の境遇の違いに注意を引きつけられました。

他にも、ジーンの「高級なランチや別荘は好きだが〜…。」という台詞に共感したりしました。
現実と向き合って自分の心と折り合いをつけることは大事だと感じます。
子供の内は関係ないことなのに、大人になるって嫌ですね。

リストラによる生活の変化や現実と理想の葛藤など、三者三様の行方を見届けてみたい方におすすめしたいです。
るな子

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