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エレファント・マンのcのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
4.5
大学生の頃にDVDで観て、好きだなという記憶だけがあり、4Kで上映とのことで観に行った。
好きだと思ったはずなのに何故か頭にはイレイザーヘッドのイメージが強く残っていたため少々警戒しながら映画館に向かってしまったが、全くの杞憂だった。
また、あのときは心を揺さぶられたけど、今は感動ポルノのように感じてしまったらどうしようとの不安もあったけど、それも感じなかった。

彼が詩篇23篇を「...そうだ」と言って続けて暗唱するシーン、彼の「詩篇23は好きです。美しいので」というシーンからずっと泣いてしまった。
フリークスのみんなが彼を救い出すシーンだけはよく覚えていて、まるで幻想だった。(この映画には随所にまるでサーカスのような不気味で夢のようなシーンがある)
彼が拍手喝采を受けるシーンでも、その部分だけでなく、彼の人生そのものへの喝采のようで、そのときの彼の厚い皮膚に覆われた目を見るだけで胸が熱くなる。

人間とは何か。40周年を迎えたことのほかに、今、この時世に改めて上映される意義を感じた。
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