ベンジャミンミン

エレファント・マンのベンジャミンミンのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
4.2
ごく自然なことだが、「自分がエレファント・マンだったらどうか」、「自分がエレファント・マンに出会ったらどうか」ということを考えながら観てしまう。そこで思い出すのは小中学校あたりの学校でのことである。
どの学校、どのクラスにも「エレファント・マン」がいたのではないか?その中で自分自身はどうだったであろうか?自分の場合、優しく接してたとはとてもじゃないが言えない。思い出すと結構酷いことを平気でやっていたと感じる。では今もし、あのような所にいたら優しく接してあげれるだろうか?そう言われたら答えに窮してしまう。かわいそうだと理解はできていても周りの目や、もっと奥底にある嫌悪の感情を拭いきれないと思うのである。
しかしこの映画のエレファント・マンの性格は出来過ぎている。なんら拗らせていないのである。あるいは拗らせるのはこれから先なのかもしれない。
彼のその後の人生はどうなるのだろうか。綺麗な女性が優しく接しようともそこには確実に線引きがあるだろう。そのことを自覚し始めると、タクシードライバーのトラヴィス化してしまうかもしれない…。