風魔秀亮

必殺!III 裏か表かの風魔秀亮のレビュー・感想・評価

必殺!III 裏か表か(1986年製作の映画)
4.2
『必殺シリーズ』の劇場版(『仕掛人』3作含む)の中で、個人的にはやはりこれが一番好きです!公開された当時、比較的ハード路線に戻り好評OA中だった『…仕事人V 激闘編』のキャストをメインに、ファンに人気のあったキャラ【秀】(演:三田村邦彦さん)の再登場!てなファンサービスもありますが、とにかく劇場版としての前作『…ブラウン館の怪物たち』のようなお遊びシーンなどを排除し、徹底してハードな内容にふりきっていたストーリーに、必殺ファンは歓喜!但し、あくまでも''必殺ファン''は………ってとこですかね(苦笑)。劇場版『必殺!』の6作に関しては、やはり必殺ファンのための映画という部分は拭えず、主人公の主水をはじめ、登場するレギュラー仕事人や、今回のゲストの秀に関しても、初めて観る方にとっては「?」な存在であり、そこの掘り下げもないままに話が進んでは、感情移入の仕方がかなり違うでしょうね。ですので、必殺ファンか?否か?によって、評価は違うと思います。
そんな今作について某同人誌にてライターの坂井氏が指摘されてましたが…本作の主人公であり、『必殺シリーズ』の顔である【中村主水】(演:藤田まことさん)。数々の修羅場をくぐり抜けてきた、そんな彼が今作では裏でも表でも過去一の窮地に追い込まれ、そこまで追い込んだのは…海を渡ってきた殺人プロフェッショナルでも、江戸の闇の世界を掌中に収めようとする外道仕事人軍団でもなく、いち金貸しとその私兵…という文芸設定の妙!と評されており、正にそこが今作の面白さのひとつでもあります!殺陣に関しては、他の方のレビューにある通り、工藤監督らしい迫力のある演出が見応えあり、そこも見所のひとつであることは間違いありません!
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