20世紀FOX時代のジーン・ネグレスコお得意のシネマスコープ画面に三人の女を配す映画。
モデル「百万長者と結婚する方法」、海外で働く女「愛の泉」、妻たち「ニューヨークの女達」とこれまで描いてきて、本作ではニューヨークの出版大手で働く女たち。だんだん地に足がついて、現実的になってきた感じ。それだけ当時のアメリカ映画から華がなくなってきたのかな？という気もする。
キャリア志向もあるが婚約者のいるキャロライン、田舎っぺで御曹司の子を妊娠するエイプリル、女優志望で劇作家と恋人になるグレッグの三人。そこに威圧的で独善的な女上司、セクハラ上司、イケメン上司などが関わってくる。
セクハラ、パワハラ、妊娠、結婚、ストーカー、不倫などなど働く女性を取り巻く困難が三人+女上司+同僚を襲う。メインキャラ3人と余分2人居るとあれもこれも入れられてバラエティ豊かですな。当時の問題提議でありつつ、現代にも残っている感じもあり。まあちょっと働きながら女優志望は浮つきすぎだが…。
キャロラインがキャリアを優先して結婚しない事を、イケメン上司が非難するのもまた時代的な葛藤なのでしょう。そこを乗り越えて歩んでいく予感が余韻を残す。
主演はキャロライン役のホープ・ラング。田舎っぺダイアン・ベイカー。グレッグ役のスージー・パーカー。
出番の少ないマーサ・ハイヤー。セクハラ上司ブライアン・エイハーン。プレイボーイの劇作家ルイ・ジュールダンはそろそろ衰えが見え隠れするのにまた女を破滅させる。
パワハラ女上司をジョーン・クロフォード。サイレント映画時代以来の脇役出演なのだとか。この頃のクロフォードは見た目が強烈。イジクソ上司かと思えば意外と部下の心配もする役だけど、取ってつけたような感じもする。
イケメン上司はスティーブン・ボイド。「The Third Secret」見たときも思ったけど、こんなにいい男だったっけ？カメラ映えしない顔だと思うけど、ソフトな話し方がセクシーで。もっとメロドラマらしい映画があれば似合ったかも。