ymk

その夜は忘れないのymkのネタバレレビュー・内容・結末

その夜は忘れない(1962年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

傷を見せても離れていかない相手って絵空事だよなと若い時分の私は嘯いていたものですが、私に必要だったのはそういう相手に出会えたときに傷を曝け出せる勇気だったのかも。
秋子はだから偉いと思う。被爆の痕を見せることができて。
最近、けど、よく考えることが、傷を抱えながらそれでも生き、他人と関わることで、大切な相手ができたとき、その傷によって大切な相手に忘れられない苦しみを与えてしまうのではないか。そういう恐怖が今の私にはある。元々対人恐怖とか人間不信がけっこう根深い方ではあるんだけど、人と関わるのが特に最近はすごく怖い。
秋子は最期に唯一大事と思える相手に綺麗な思い出を与えてもらえて幸せだったとは思う。正直こういう死に方に憧れる自分はいる。
けど、その大事と思える相手に悲しみを植え付ける方が、今は辛いかもしんない。
ymk

ymk