福福吉吉

この森で、天使はバスを降りたの福福吉吉のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

刑務所での刑期を終えて出所した女性パーシーは田舎町ギリアドで、老女ハナの経営する食堂「スピットファイアグリル」で働き始めた。町の住民は好奇の目で彼女をよそ者として扱うが、ハナが足を骨折したことをきっかけにハナの甥のネイサンの妻シェルビーと一緒にパーシーが食堂を切り盛りし、ハナやシェルビーと意気投合し、また、町の住民とも打ち解けていく。しかし、ネイサンだけはパーシーを疑いの目で見続けた。

終盤の手前まではハートウォーミングな展開で、手紙コンテストで街中を巻き込んでいくところなんて観ていて楽しかった。パーシーが気難しいハナの信頼を少しずつ獲得し、夫ネイサンに無能扱いされていたシェルビーもパーシーやハナと一緒に働くことで自分の居場所を獲得する様子が本当に心地良かった。

それゆえにパーシーの死が唐突すぎて理解できなかった。ストーリー上、どこに死なせる必要があったのか。パーシーの死後、パーシーにかかった疑いが解けていくけど、死んでから疑いが解けても意味がない。パーシーのこれまでの悲惨な境遇に追い打ちをかけるような死。あまりにもパーシーが薄幸過ぎて悲しかった。

最後、手紙コンテストの優勝者が新しい「スピットファイアグリル」の店主として街中から歓迎され、明るい未来を提示するかのように描かれているけど、私には納得できなかった。

パーシーやハナの役者さんの演技は心情の機微をよく表しており、素敵だった。作品全体としてはとてもいい作品だと思う。
でも、私はもう二度と観ないと思う。
福福吉吉

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