H4Y4T0

ブルーベルベットのH4Y4T0のレビュー・感想・評価

ブルーベルベット(1986年製作の映画)
3.5
父の入院見舞いの帰り道で奇妙な出来事に遭遇し、ある女性との出会いをきっかけに難事件へと巻き込まれていく様を描いたクライム映画。デヴィッド・リンチ監督の第4作目にあたる作品。

出た、これぞリンチ作品。不可思議で珍妙な世界へと誘う”リンチワールド”全開な本作。
初っ端からミステリアスな雰囲気を漂わせ、さもこれから「謎解き」が起こりそうな予感を示唆させる冒頭シーン。
難解に見せかけた”妙ちくりんなシチュエーション”で鑑賞者の心理を揺さぶる準備に取り掛かり始めたところで一旦考えるのを止めた。
この監督の作品は考えるだけ「無駄」である事をつい先日学んだばかりだったので、それを存分に踏まえた上で敢̀え̀て̀否定的な目線で鑑賞することに。
するとどうだろう、やはりというか案の定、安定の”リンチワールド”が展開され心底ホッとした。

見所という見所はフランク役のデニス・ホッパーの”キチっぷり”か。ホッパー本人自らキャスティングに名乗りを上げるぐらいなので余程お気に入りなのか、実にノリノリで演じていた様に窺える。これがまた見事なハマり役で、変幻自在な顔芸と相まって狂喜乱舞する姿に始終口ポカーン。
先述したようにストーリーの内容や脚本どうこうよりも演出や世界観に重点を置いていることが多いため、注意深く慎重になったところで理解が追い付かない。
意味はあっても無いようなもので軽くツッコミでも入れながら鑑賞してみるのもたまには良いのでは。
とはいえあくまでこれらは個人的な意見であって無論、考えれば考えるほど深みは増す。それこそがリンチ作品の醍醐味。

何故かローラ・ダーンがリンチ監督の映画5作目『ワイルド・アット・ハート』出演時より老けて見えた(相変わらず泣き顔が酷い…)。
今冬公開の『スター・ウォーズ:ザ・ラスト・ジェダイ』に出演決定。
主人公ジェフリーを演じたカイル・マクラクランの顔(とくに顎)にどこか見覚えがあったので、ついでに調べてみたところ海外ドラマ『エージェント・オブ・シールド』に登場したスカイ/デイジー・ジョンソンの父親カルことカルビン・ザボ役の俳優さんでした。若い!
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