ブルーベルベットの作品情報・感想・評価

「ブルーベルベット」に投稿された感想・評価

pmpg

pmpgの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

初デヴィッド・リンチ
平和が逆に狂気に見えるのは何なんだろうね
おそらく初めて見たリンチ映画 彼の作品は難解だと言われて観たので 余りにも露骨すぎる映像表現の数々にかなり戸惑った記憶があります
それは決して悪い意味ではなく。
この映画の主人公ははっきり言ってデニスホッパー演じるフランクだと思います。とにかくFUCKしか言わない超ベタな悪役なのに圧倒的なインパクトを人に与える事に成功しています。
ぐらむ

ぐらむの感想・評価

3.5
リンチの代表作の一つとしてあげられることが多い本作。
しかし内容は驚くほど具体的でわかりやすく、すこし物足りない印象を受ける。

ドロシーが綺麗で妖しくて
魅力に満ち溢れているので
それだけで個人的には充分満足ではある。
...怖えよ笑。自分の身近な所にもこんな世界があったりして...紙一重なんじゃないすかね...あと結構笑える。
yoshi

yoshiの感想・評価

4.0
オリジナリティ溢れる映像作家は商業的成功に恵まれない事が多い。しかしその類稀なるセンスは何故か人々の心を揺さぶり、記憶に残る。
そんな映像作家の代表であるデビッド・リンチ監督と10代の頃、初めて劇場で出会った映画です。幻想的という映像表現を初めて知りました。

この映画は、野原で人間の片耳を発見した青年ジェフリーが、事件を追ううちに女性歌手ドロシーと出会い、彼女を囲うギャング、フランクの異常な行動に巻き込まれながらも真相に近づいて行く…というお話。

冒頭からインパクトは大きかった。
美しい田舎町ランバートン。スローモーションで描かれる町と人々は絵葉書のように鮮やかな色に溢れています。

美しい家の芝生に水撒きをしていた中年男性(主人公の父親)がいきなり卒倒。

カメラは男性を捉える訳ではなく、草むらに寄ると、甲虫がぐちゃぐちゃと群がる光景が映される。

急病で倒れた父親の見舞いに大学生ジェフリー(カイル・マクラクラン)が帰郷する。彼は野原で切断された人間の耳を見つける。

もうこの時点で「エ?え?アレは何の意味があるの?」
多感な10代で、劇場で観た私は大混乱でした。

しばらくして知りましたが、若き日のリンチ監督は美術学校に通っていたそうです。そのためか彼の映画は極めて絵画的です。

この映画も画面内の俳優の動きが少なく、カメラもあまり動かなければ、被写体の動きも控えめなものが多い。

もちろん映画なので動画として見苦しくならない最低限の動き、強調すべき動作もありますが、全体として静止画を思わせるような風合いがあります。

映画は絵画から多大な影響を受けていますが、リンチ監督の映画は特に絵画的と言えます。
シュレアリスムを愛するリンチらしく、シュールな絵画を思わせる表現が多数あります。

その最たる例が劇中にキーアイテムとして登場する「蟻のたかった耳」です。
スペインの画家サルバドール・ダリへのオマージュでしょう。

そしてシュレリアリズムの絵画のように、リンチの映画は現実と妄想の境がいつも曖昧です。

この映画のお話には2つの考え方があると思います。

一つは「平凡な日常のすぐ側には、非日常的な世界がある」という考え方。
最初に見た時、私はそう思いました。

しかしその後、複数のリンチ監督の作品を観るに連れ、もう一つの考え方が次第に大きくなっていきました。

それは「全てジェフリー個人の妄想」という考え方です。

この映画はずっとジェフリーの一人称の目線で語られる物語だからです。

正直、耳を見つけてからの現実離れ、シュールさは甚だしいからです。

耳の穴の中にカメラが入り、暗転してからは、まるで別世界に入ってしまった感があります。

この「何かを通って異界に入り込む」という表現は、「ツインピークス」の赤い部屋同様、リンチ監督作品には、多数登場するのですが、実はこの作品から始まっていたのではないでしょうか?

ここからは全てジェフリーの夢だったのではないか?と今にして思います。

ドロシー(イザベラ・ロッセリーニ)の家でクローゼットに隠れたジェフリー。

クローゼットの隙間から、常軌を逸して凶暴な人物フランク(デニス・ホッパー)が、放送禁止用語を連呼し、ベルベットを切れ端を咥えながら、ドロシーを暴行する光景を目の当たりにする。

最初はジェフリーに「私に触るな」と言いつつ、情事に至る際には「殴って」と言い始めるドロシー。

フランクの友人ベン(ディーン・ストックウェル)は脈絡なく、突如ライトを片手に口パクでムードたっぷりに歌い出す。

綺麗な住宅街にボロボロになった全裸のドロシーが現れる。

散々拷問にあったらしく「ムンクの叫び」に似た表情で死んでいる耳のないドロシーの夫。
立ったまま脳を剥き出しにして死んでいるフランクと繋がりのあった汚職刑事。(しかも反射でピクリと動く)

やがて事件は解決し…田舎町はまた平和に満ちた世界に戻る。

冒頭の絵葉書のような映像。
その中にはフランクに拐われていた子どもを取り戻したドロシーの姿もある。

まるで何もなかったかのように…。
ジェフリーは協力者である刑事の娘サンディと談笑している。

全てはジェフリーの夢であったかのように見える…。

その時、愛らしいコマドリが窓辺にやってくる。

しかし、その愛らしいコマドリさえも、その口には昆虫をくわえている。
過酷な生存競争の中で、殺すか殺されるかの死闘を演じているのだ。

世界は愛に満ち、美しいだけの場所ばかりではなく、ひとたびその深淵を覗き込めば、闇と暴力に満ちた生きるか死ぬかの生存競争の渦中にいる。

このたった一匹のコマドリの出現が、私が示した2つの見方の境界線も曖昧にしてしまうのです。

「現実と妄想の境界線の曖昧さ」

これがリンチ作品の特徴であり、(長編処女作「イレイザーヘッド」は妄想の方が大きい。)それは今作から次第に顕著になっていったと感じています。

私はリンチ監督のファンですが…
はっきり言ってリンチ監督作品から、正しい人生は学べないと断言します。

何が魅力なのかというと、全ての登場人物に闇があり、その捉え方が非常に印象的だということ。
光溢れる世界より、得体の知れない(思いも寄らない)心の闇を見せてくれる映像作家であるからです。

それが魅力的で中毒性があるから困ってしまう…。

追記。
凶暴なフランクは、リンチ作品の特徴の逆を体現する。
闇と暴力の世界に生きながら、美しいものに涙する。

フランクがクラブでドロシーの唄を聴いて感涙してる場面がそれ。

暴力的で反道徳的だが、心の底には美しい部分も残っており、ドロシーの唄にだけ自分の純性を露わにする。

人としての生々しさを感じます。

醜い殺人鬼も親族や芸術に対する愛情だけは本物ということがある。
生まれついての怪物ではなく、我々と同じ血の通った人間だと感じる。

当時、麻薬中毒から立ち直ったばかりのデニスホッパーの怪演。
麻薬に溺れた彼自身の奥底を見るようで、生々しく、そして怖い。

間違いなく歴史に残る悪役である。
彼だけでもこの映画は、見るに値すると思います。
NWFlQ

NWFlQの感想・評価

4.4
何となく。
観るタイミングが色々とズレてしまった。

内容は割とオーソドックスなノワール的な物だと思うけど、撮ってるシーンがおかしい。
囲ってる女と逢引していた若者をのすヤクザのシーン。普通は脅し文句からの殴る蹴る、の筈だけど口紅を塗って若者にキスするシーンを撮って殴るシーンは撮らない。結局何があったのかについてもそれを伝えることにあまり関心はないようだし。
終始こんな感じで、古いフォーマットなはずなのに得体の知れない角度から物語るアプローチが面白い。

謎の解決よりも謎そのものに関心があるのだろうとは思う。

この後にツインピークス、ワイルドアットハート、ロストハイウェイに流れていくかと思うと答え合わせで解答が次々とはまってゆく様が感慨深い。
魅力のあるわけわからなさではなかった デニスホッパーは良かった!
lena

lenaの感想・評価

3.4
マルホランドドライブ良かったから期待してたんだけど、そこまではまらんかったごめんなさい。
romio

romioの感想・評価

3.6
日常から非日常への一歩はすぐそこにある。そんなことをいつも教えてくれるリンチ先生。
今回もオープニングからして最高でした!!

普通の日々を過ごしていた青年がひょんなことから、怪しい事件に興味を持ち、好奇心に任せて勝手に捜査を始めると、今までとは違う世界へとどんどんと入っていてしまう、そんな作品。
最初のきっかけとなる、変な空き地からして最高で。ただの空き地なのに、一気に怪しい世界へと引きずりこんでくるから困ったものである。
ミステリアスな女歌手との交流があり、これからどんな狂気が待っているのかなと少し身構えたが、話の展開としては、けっこう普通なサスペンス作品ではある。
そこが個人的には少し残念な部分ではあったが。

所々に見られる怪しさとエロスが最高だった!!
特に、主人公があくまで自分からこの世界に入っていくという部分がよい!!
怪しさと妖艶さの甘い誘惑、一歩間違えたらというそのスリル。
個人的には、I'm Paul って言ってくる奴が最高につぼだった。
日常から非日常へってほんと好き!たまらない!!

あと、ぶすぶす、言われているが、ローラダンは俺は普通にめっちゃ可愛いと思うけどな。
あんな女の子すごい好きだよ。
これはタイプの問題なのだろうか。

このレビューはネタバレを含みます

[すぐそこにある闇とドロドロの性倒錯]

  何でもない田舎町のすぐそこにある闇。

 イザベラ・ロッセリーニの淫らなドロドロが凄い。切られた耳の中に引き込まれて行くとこや、デニス・ポッパーの異常な性倒錯も本当に怖い。そして、カイル・マクラクランは美しい位いい男だった。

 そして、ラストがジェフリー(カイル・マクラクラン)とサンディ(ローラ・ダーン)とのハッピィエンドでケリが付き、ほっとした。しかも、デニス・ポッパーのゴードンをギリギリで撃ち殺すのもとても良かった。 (2016.3.6)
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