佐藤克巳

闘牛に賭ける男の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

闘牛に賭ける男(1960年製作の映画)
4.5
山田信夫、舛田利雄コンビの脚本が巧みで、猪突猛進する実際の石原裕次郎の本性に根差したテレビ興行ビジネスを抉った問題作。石原は、スペイン闘牛の興行に失敗し新聞社を退社したが、アメリカの放送局の製作した番組の代理権を獲得しベンチャービジネスに成功するが、三津田健等財界の圧力で潰され、再び闘牛の興行に命懸けで挑む。物語は、北原三枝との情熱的な恋と二谷英明との三角関係の回想型式で、東京、マドリード、マジョルカ島の美しいロケーション共に展開する。舛田監督は見事な演出でとりわけ、闘牛場での迫力は素晴らしく、3人の自立した個性が際立った傑作となった。
佐藤克巳

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