むるそー

ブエノスアイレスのむるそーのレビュー・感想・評価

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)
4.1
初めての王家衛。香港で出会った2人の、地球の裏側のブエノスアイレスでの日々を描く恋愛映画。

突き放したり求めたりを繰り返す彼らはとても人間的で、簡単な変数では表す事のできない人間の感情の複雑さに馬鹿らしさを覚えると共に儚げな美しさも感じる。

同性愛者を描いてはいるものの、それが故の外圧に苦しむ描写はほとんどなく、2人の関係を美しく描くためのスパイスとして作用している。でもその2人が抱える孤独と結び付きはマイノリティが故のものなのかも。

最後にトニーレオン演じるファイが行き着く、"会いたいとさえ思えばいつでもどこでも会える"という結論にはすごく共感できた。そのマインドセットで人との関係を構築していきたい。
むるそー

むるそー