このレビューはネタバレを含みます
フィリップKディック原作のSFアクション。「機関」によって記憶を改竄された男が、真の記憶を辿って火星へ飛び、「機関」の陰謀を打ち砕く。「失われた記憶の修復」「過去の自分との決別」といった題材は今でこそ王道だが、1990年当時のアクション映画としては斬新だったのでは。
また、「機関」との対立構図、火星の解放を軸に古典的でわかりやすいストーリーが進行するが、バーホーヴェン監督だけあってグロい演出や視覚的表現に余念がない。ミュータントの顔の造形はかなり凝っている。
太ったおばさんに化けて潜入したシュワちゃんが、おばさんの被り物を取って正体を現すショットの気合いの入り具合はよかった。
主演はシュワちゃんである必要があったのかな…。記憶の真偽や、「機関」側だった過去の自分に関するナイーブな葛藤を演じられる俳優がより適切だった気もする。
「妻」役のシャロン・ストーンが美しい。メリーナ(レイチェル・ティコティン)との泥臭いバトルアクションで背負い投げを披露。