1952年(昭和27年)公開。小津安二郎監督作品。
地方出身の素朴な夫と夫にうんざりする上流階級出身の妻、二人のすれ違いが描かれた作品。
後期小津作品ながらテーマが婚期の遅れた娘ではなく、夫婦関係なのがとても新鮮だった。
子供がおらず遊びまわる有閑マダムの鬱陶しさや、夫の心の広さが印象的。笠智衆がパチンコ店の男として登場したのも意外性があった。
とんかつ屋さんの名前が「カロリー軒」というのが今見ると笑えるのだが、当時は違和感がなかったのだろうか。すごく味のある看板なので、あの名前と看板のとんかつ屋さんがあればきっと足を運ぶと思う。
夫や男性を話題にした女性陣の会話が面白ろいし、木暮実千代をはじめとする女優陣の美しさも小津監督らしい。
終盤の展開もすごく好きだった。