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お茶漬の味のmaiのレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
4.3
最後のお茶漬けのためにある作品といっても過言ではない!と思えました。

夫婦ってお茶漬けって名言すぎて。

赤の他人が一緒になるわけだから、それが恋愛結婚だろうとお見合い結婚だろうと、生活するうちに相手の性格とか細かいところがきになってしまうのは常のはずです。特に、相手と育った環境や基質が違うのであればなおのこと。
この映画では妻の妙子がかなり自由すぎて高飛車~な感じが好きになれないし、夫はそんな妻の態度を受け流していて「器大きいな」と思うんですけど、ラストに夫が飛行機トラブルで帰ってきたときにうっすら微笑む奥さんが何とも可愛らしく映るんです。
あれこれ言うけど、結局不意に帰ってきてくれたら喜んじゃうんだっていう。笑
そして、わがままな感じの奥さんにそういう瞬間がふと訪れる部分があるからこそ夫は夫で奥さんのことを愛せるんだろうなあとも。
好きな部分ばかりではやっていけない結婚生活だけれど、お茶漬けのようにこれをちょっと足してみようか、シンプルにしようか…とちょっとした工夫を凝らしたりなのが大事なのかも。
そもそもご飯をお茶漬けにして食べるっていうのも、普段のご飯を少し工夫したものですし。

それにしても、女性はとにかく強い。笑
女性同士が集まると、なぜあんなにもエネルギーに溢れて、毒はいてるのにクスクス笑えてしまうような「人間性の愛おしさ」みたいなものが漂うんでしょう。笑

最後の妙子が節子に夫婦と結婚についてうっとりとしながら語るところがまた良かったです。調子いいなあと思いつつ、確かに夫婦ってそういうことなのかなと思いました。
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