Ryan

バーディのRyanのレビュー・感想・評価

バーディ(1984年製作の映画)
4.3
Birdy's Flight



ストーリー
繊細な心を持つバーディは、ベトナム戦争により精神を蝕まれてしまう。彼の心に去来するものは幼い頃に夢見た「鳥になって、自由に空を飛び回りたい」という思いだけ。


主演 マシュー・モディーン
監督 アラン・パーカー


1985年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞。

シンプルなのに現代に通ずる斬新さがあり、私的にかなり評価したい。
本気で何かを悩んだ事がある人にしかわからない"深淵"の物語。
理解されようとしない強気な姿勢のこの作品は滅多にない特別な映画だろう。

鳥になりたい人間?そんなのが映画なの?と疑問を抱きつつ鑑賞を続けると何が彼の中で壊れていくのかが良くわかる。
悪ガキコンビの物語だが、関係性はどこかホモ的な要素がある。それも演出なのかは後半でわかる。
鳥になりたい人間に戦争をぶつけるとこんな反応が起こるのかと斬新さでは逆転のトライアングル並みに面白い。

主演のマシューモディーンがとにかく良い。
初々しさと青さ。イケメンなのに坊主にした途端雰囲気がガラッと変わる彼の顔。全てが人を惹きつける演技。脇役に徹したニコラスケイジも素晴らしい。

鳥になりたい人間を追うだけなのにこのアップテンポと怒涛の展開、エッジの効いた音楽、それでいて主役2人の関係性が気になる展開などまだまだ見れる。
余韻がカンヌぽいし、この映画があまり知られていない事に納得いかない。
なかなか変わった映画だが、かなりオススメしたい。
Ryan

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