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ゴルゴダの丘のcinemaiquotのレビュー・感想・評価

ゴルゴダの丘(1935年製作の映画)
3.0
イエス・キリストの伝記映画はずっと昔に『偉大な生涯の物語』を観たきりだと思う。まだ子供だった。
(いやいや、パゾリーニの『奇跡の丘』を観ている。好きすぎて別物扱いしてしまった。追記。)

1935年と古い映画だが、聖書の記述については当然知っているものとして描かれているので、観る前に福音書を読んでおいたほうがいい。ちなみに、この映画はキリストの受難〜復活(復活の場面は添え物程度。。。)を描いているので、最低限福音書の該当箇所には目を通す必要があるかと。
個人的に原作を読まないと映画が面白くないというのは好ましくないと考えるが、さすがに聖書となると知っていて当然となるのも仕方がない。
歴史映画でいちいち「この人物は〜」「この台詞は〜」「この出来事は〜」と説明しないのと同じようなものか。

序盤、キリストはなかなか画面に映らない。ようやく映ると、照明が当たりすぎていてひとりだけ異様な輝きを放っていたり、陰影がお化けみたいで怖かったりする。神聖さを表現するための工夫だと思うが、逆にこの映画はあくまでも神の子キリストを描こうとしていて、人間イエスを描くことが目的ではないことがわかる。あとカトリックの国フランスだからか、イエスの母マリアの出番が多い。ほとんど語らないが。

何故か宮清めのシーン(神殿で商売人たちの台を倒したりする場面)がいちばんぐっと来た。まるで狂人、そこまでするとはイエス様どんな気持ちだったろうと胸を痛めた。
鞭打ち、磔刑等、痛めつけるところは直接に描かれていなかったものの(窓から見ていた女性は卒倒する)、音だけでも辛かった。この後『パッション』を観る予定だが、耐えられるだろうか。。。
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