Rita

パルプ・フィクションのRitaのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.2
『PULP FICTION』🚬

ギャングのヴィンセントと相棒ジュールスは、ボスからの命令でスーツケースを取り返すべく、アパートに潜入する。3つの異なる犯罪物語の短編がそれぞれの登場人物によって一つの作品に仕上がっている。

冒頭からコーヒーショップの強盗って強烈だし、OPはDick Daleの『Misirlou』はカッコよすぎる。マフィアがナメナメと足マッサージで議論してるのも最高に面白いし、ジュールスイチオシの「ビッグ・カフナ・バーガー」は一度は食べてみたい。パイナップルの入ったハワイアンテイストだそうです。

ジュールスがエゼキエル書25章17節というデタラメな聖書を読み上げるシーンも真面目に聞いてしまう。ハニーバニーも物凄い変貌を見せてくれるから好きよ。ヴィセントがヘロインを打つシーンがあまりにも芸術的で、セクシーなジョン・トラヴォルタが観れるから好き。

ミアの注文した5ドルのミルクシェイクも最高に美味しそうだしアメリカの代表的なハンバーガーとミルクシェイクの組み合わせって飯テロですよね。🍔🍒

ヴィンセントとミアのダンスシーンは『8 1/2』のオマージュとして有名ですね。初めてフェリーニの今作を見た時に同じ振り付けだと知って驚いた。そして、ミアはアグレッシブでヴィンセントがスローリーなダンスなのにはコカインとヘロインの違いを現しているらしい。こういう映画好きの小ネタや面白い対比を色んな場面に散らばらせている監督本当に凄い。

"ジャック・ラビット・スリム"でのシーン。ヴィンセントとミアの会話のやり取りが良い。ミルクシェイクの一口をあげた後の沈黙、「気まずい沈黙は嫌い、好きな相手だと沈黙も気づまりじゃない。」と言うミア。家に送った時は気まずい沈黙にならないと命が危ないけどね。その後、間違えてヴィンセントのヘロインを吸って意識を失ったミアにアドレナリン注射をぶっ刺すまでの会話が一番好きです。

ブッチのパパの友人が、ブッチのおじいさんからの形見だという時計を父の5年と友人の7年間で尻の穴に隠し守り続けてきた形見を託されるっていうストーリー的には重要な役割してる形見なんだけど渡されたブッチも絶妙な気持ちだよね。知らないおっさんの尻穴にブッチの先祖の大切な時計が入ってたんだから。その時計をアパートに忘れてきた彼女にすんごいキレまくってるの笑い止まらん。怒り鎮めたと思ったらアパートに向かう最中「バカ女!」って怒鳴ってるのも面白い。

最近聴いた曲がとても良くて誰の曲か分からなかったのですが劇中、ミアがプレーヤーで流した曲「Girl You'll Be a Woman Soon」がその曲だと知って鳥肌がたちました。

「パルプ・フィクション」="安っぽい小説"っていう意味らしくて、ほんとそのまんまの意味の構成で最後に物語が上手く交錯していくっていう時系列が最後まで見ないと解らないのが面白い。私的に今作は飯テロ映画だと思います。私も監督とジュールスとお揃いの「BAD MOTHER FUCKER」財布が欲しいです。
Rita

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