スギノイチ

安藤組外伝 人斬り舎弟のスギノイチのレビュー・感想・評価

安藤組外伝 人斬り舎弟(1974年製作の映画)
3.8
伝説的ヤクザ「花形敬」を描いた番外編的作品。
花形敬は日向謙という偽名になっている。
「外伝」というタイトル通り、本作の主人公は菅原文太演じる日向であり、安藤昇はあくまで語り手的な役回りだ。
(でも「横井英樹襲撃事件」はしっかり出て来る)
花形敬は『バキ』に登場する怪物ヤクザ「花山薫」のモデルとしても知られている。
だが、落ち着いた物腰の花山と違い、この映画の花形(日向)はかなりプッツンしたキャラクターだ。
とにかくすぐ人を殴る上に異常に強いので、映画の中でも怪物的な扱いを受けている。

中島貞夫というと泥臭いチンピラ映画のイメージがあるが、本作は猥雑さとスタイリッシュさが混在している。
力也に腕を切断されのたうつ渡瀬恒彦や名和宏に対する容赦ないリンチ…暴力描写は折り紙つき。
(腕を斬られた渡瀬恒彦はその後片桐夕子を片腕でレイプ!さすがである)
一方、雨とネオンの中で力也の目を潰すシーンはさながら石井隆のバイオレンスアクションのように洒落ている。
腹から血を流しながら、ブルーネオンを彷徨って無差別暴力に狂う姿はもはや人間じゃない。
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