まず、吉田栄作演じる熱血教師(元暴走族で東大中退)の名前が「秋葉真剣」というところからして、すでに真剣味が完璧に欠落しています。そこに、不良生徒達を演じるのが山本太郎をはじめとしたダンス甲子園メンバーであるということがさらに追い打ちをかけます。迷台詞満載で、観た後はしばらく真似をしてしまうでしょう。凶暴なストーリー展開によって宙ぶらりんになってしまった登場人物が、最後にこの映画自体の「敗北宣言」とも取れるような恐るべき台詞を吐きます。きわめつけは吉田栄作自身が歌うエンディングテーマ「僕は何かを失いそうだ」。観る前の自分にはもう戻れません。