あああ

リリイ・シュシュのすべてのあああのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.0
無能な教師、助けてくれない大人達、悪意の連鎖、嫉妬。残酷な現実を14歳の少年を通して見せつけられる。学校という思春期の少年少女を集めて閉じ込めた箱庭で何が起こるのか。

淡く美しいはずの青春が恐ろしく描かれる。けど僕にとってはこっちのほうがよっぽどリアルだった。14歳にとって学校という世界は、唯一の世界であり、全てだ。そこから自分を救い出してくれる人などいない。いたとしても気付けない。逃げるには死ぬしか無い。津田のように。
観客にとっても他人事じゃないのが一番怖い。映画の冒頭でTVから流れるバスジャック事件はいじめられた17歳の少年が実際に起こした事件だったし、いじめで人が死んだというニュースは毎年のように増えていく。映画の中の"最悪"をファンタジーと言い切れない。

上手く言語化出来ないけど、思春期特有の感じが上手く描かれてたと思う。それに独特の儚いような美しい映像が合わさって、この作品にしかない世界観があった。ハマる人はとことんハマりそう。

映画全体に00年台のエロゲーや2chのような雰囲気が流れていて、そこに美しい映像とドビュッシーが混ざり合うことで、この映画にしか無い独特の世界観が作られてた。思春期特有のあの感じの表現も上手い。ハマる人はとことんハマりそう。美しい映像と凄惨な現実。その融合も00年代あたりのエロゲーっぽい。keyとかあの辺の雰囲気。

だけど何故か微妙にハマらなかった。主人公達と歳もさほど変わらないはずだし似たような雰囲気のエヴァは大好きなのに、なんでだろう。洗練されすぎていたからかな。
あああ

あああ