二階堂じぞー

シカゴの二階堂じぞーのレビュー・感想・評価

シカゴ(2002年製作の映画)
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久しぶりに観直してそのままの勢いでサントラをレンタルしに行った。
映画しか観たことないけど、実際にいたロキシー・ハートという女性がモデルのお話らしい。
しばらく前に米倉涼子がミュージカルでやってた気もする。

20世紀初頭のシカゴで殺人を犯したチャーミング美女ロキシーが、裁判で無罪を勝ち取るために守銭奴弁護士とあらゆる手段で世論を味方につけて、ついでにそこで得た知名度を利用してスターダム駆け上っちゃおう!みたいな倫理観とかモラルは燃えるごみの日に出したようなミュージカル映画。

登場人物に共感したり自己投影したりしたいタイプの人にはたぶん観られないやつ。
誰も法律を守らない上に、犯罪者は誰も報いを受けず無実の人だけ酷い目にあうので、勧善懲悪モノが好きな人も避けるべき。
でもかっこよくてちょっとアングラ歌詞の歌とエロいお姉さんのダンスのショーが好き!とか、とにかくテンポがよくてテンション上げられる映画が好き!という人には全力プッシュできる。
バーレスクから人道を取っ払ったやつ的な…とにかくモラルは死んだ。

そんなわけで共感できますとか感動しますとかいうシーンは一切ない。あえて言うならロキシーの旦那が歌うミスター・セロファンは影の薄いおじさんの哀愁に溢れてて、電車で寝てるおじさんを優しい目で見たくなるかな~(笑)

よくあるミュージカル映画のように部屋や道端で踊るフラッシュモブ方式ではなくて、ストーリーの途中途中でいきなりショーパブの舞台に画面が切り替わってショー仕立てで登場人物が歌って踊る。

どの歌もものすごく頭に残るメロディラインだし、パフォーマンスもそれぞれすごくかっこいい。
特に私はロキシーが収監されてすぐのママ・モートンの賄賂を渡せばムショ暮しも快適になるよ~みたいな歌と、女囚たちが自分の罪状を説明するみたいな歌が最高にかっこよくて大好き。

守銭奴弁護士役のリチャード・ギアのショーシーンは、ランニングとトランクス(?)で美女集団の上に乗ったりしててあんまり評判よくないけど、キャラクターに合っててよかったと思う。間違えておじさんが美女をどうこうするマンガの広告を踏んだときみたいなもにゃっと嫌な感じが。
法廷ではったりかました方が勝ちさ~みたいなサーカスしてるときはうざかっこよかったし、批判するようなことではないと思う。

夜中に強いお酒と高カロリーおつまみを抱えて手を叩きながら観たい映画。