少年の成長と映画館の歴史のカットバックによるノスタルジー映画の最高傑作。
変わるモノ。変わらないモノ。
師を超え見事に成長しても、変わらない気持ち。初恋への未練。
時が村や文化を残酷に塗り替えても、変わらない気持ち。師や母の愛情。
映像は時代毎の変化を克明に映していくが、音楽は主に2つのテーマをリフレイン。この演出がまた涙を誘う。シネマオーケストラだとなおさら。
気づけば本作公開当時(僕の幼少期)からも映画館は変わり続けてる。完全入替え制の導入(一回だけ1日居座ったなぁ)、立ち見の廃止(真ん中の通路が特等席な謎構造だった)、タバコの跡の消滅(フィルムは初日が画質が綺麗だというこだわり)、シネコン(シネコンという言葉も既に死語) 、行列の廃止(代わりに始まった深夜のF5アタック)…。それでも今日まで変わらない映画を楽しむことの本質。その本質をよくぞここまで映し出したくれたものだ。お見事。