Taro

ニュー・シネマ・パラダイスのTaroのレビュー・感想・評価

4.2
もう一度名画鑑賞シリーズ。

高校の恩師が「人生ベスト映画」と言っていたので高校生の時に観て、20年振りにもう一度、鑑賞。

父親のいないトトにとって、父のような存在のアルフレッド。
そんなアルフレッドとの出会いから別れまでを美しい風景と音楽で魅せる、今観ても間違いのない名作でした。

だから、アルフレッドがいない場面は一切、描かれない。村を出たトトが映画界で成功した描写は無く、ラスト付近でそう匂わせるのみ。
回想で「村を出る」と、現在で「村に戻る」という構成が巧みで徹頭徹尾、過去を描いた話。

だから、すごく「ノスタルジックな話」だと記憶していたのだけど、意外だったのがアルフレッドが「ノスタルジーに引き戻されるな」「村を出て決して戻るな」と口酸っぱく言うんですよね。
トトもどこまで納得したのかわかりませんが、その言葉を守り、30年、村に帰らなかったわけで…。

ここがこの映画をただの懐古趣味ではなく、「今を生きる」映画にしているのだと思いました。

「今、自分がすることを愛せ」と彼は言っていました。
Taro

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