TP

レベッカのTPのレビュー・感想・評価

レベッカ(1940年製作の映画)
4.4
★1986年に続き2回目の鑑賞★

 本作の鑑賞は36年ぶりになるが、原作であるデュ・モーリエの小説を6年前に読んでいたので、あらすじはほぼほぼ先読みできる状態で鑑賞。

 ヒッチコック作品としては珍しく、前半の、ミステリーに入っていかないドラマ部分が非常に丁寧であり、かつ、名優ローレンス・オリヴィエを起用していることから格調高くもなっていて、それがアカデミー作品賞、監督賞、主要俳優部門3カテゴリーにノミネート(受賞は作品賞と撮影賞のみ)された所以でもあると思われる。

 主演のジョーン・フォンテインは地味な印象で全く目立たないのだが、原作の「わたし」自体が平凡な女性なので、今回鑑賞で気づいたがそれがはまり役。
 オリヴィエ(デ・ニーロの若い頃とよく似ている)はさすがに名優だけあるし、落ち着いた展開の中でも見応えは十分。
 ミステリー的展開に拍車がかかってくる後半はさすが、ヒッチコックの真骨頂。個人的には先読みできてしまう状態だったのだが、それがなければ結末までの緊迫感には確かに唸らされること間違いなし。

 ちょっと残念なのが画質の悪さ。ほとんどピントが合ってないし、特に後半は照明による「飛ばし」によって役者の表情がわかりづらい場面も多く、作品の本質ではないものの少し減点せざるを得ない。
TP

TP