ぴこ

去年マリエンバートでのぴこのレビュー・感想・評価

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
4.4
アランレネとロブグリエの共作であるが、おそらくそれが物語の構造をより複雑にしている。これは人間の記憶力はあいまいだから幻想的だというような話ではなく、過去と現在と未来が識別不可能あるいは共存という話であり、未来を指し示す女を過去に引きずり戻す男というギリシア風の現代の彫像のように不動であることにより開かれる時間の次元なのだ。反復、不動性、時間イメージの闖入の技法が一貫して異なる現在の共存を表現するために使われている。(風景さえ、過去が現在と等価であるように、一つの写真や絵と等価である。)
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