パリで下水道掃除をするシコ（チャールズ・ファレル）と、姉に虐待されながら生きるディアーヌ（ジャネット・ゲイナ）が出会い、なりゆきで偽装夫婦として同居する中で、お互いに愛情を感じるようになる。しかし、第一次世界大戦が始まり、2人は引き裂かれてしまうのだった。
フランク・ボーゼイギ監督が第1回アカデミー監督賞を獲ったサイレント作品。
あまりに酷い下水清掃の仕事と姉の虐待のあとに、2人のぎこちなくも微笑ましい生活が始まる。
その朝ごはんの様子が可愛い！どんぶりコーヒーがとても美味しそうに見える。笑
演技もセリフも学芸会みたいだけど、ドキドキしながら別々に寝たり、不器用な愛の告白をしたり、空を見上げたり、戦争に引き裂かれたりと、王道メロドラマのネタが散りばめられていて、どれだけ後の映画のお手本になっているかと想像が膨らんだ。
シコは高圧的で独善的に見えるんだけど、彼の “俺は特別な人間だ” という言葉は高慢さではなく、それぞれに特別なんだと言っていることが次第にわかってくる。そして、言葉は彼が自分自身を奮い立たせる原動力なのだ。
愛することで失うことの恐怖を初めて知る男と、愛されることで勇気を持ち強くなる女の描写が見事！
