まこ

ゲド戦記のまこのレビュー・感想・評価

ゲド戦記(2006年製作の映画)
4.0
酷評がかなり多いようですが、私は個人的にはジブリ作品の中でもかなり好みです。
もしかしたら一番好きかも。

光を否定して、闇しか見えていなかったアレンとクモ。

闇を拒絶しなんとかコントロールしようとしても、心に安寧は訪れない。
人間の闇部分の存在すらも受け入れ、共に生きると覚悟を決めるからこそ、人生に調和が生まれるのではないでしょうか。

アレンとクモは光だけを求めてしまった。
純粋で不安だったんでしょうね。

陰と陽、水と火、昼と夜、男と女…。
そういったものの調和から世界は成り立っていて「中庸」が望ましいと東洋思想では考えるそうですが、何となくそんなことがテーマなのかなぁと思いつつ。まあ原作は西洋のものですが。

「鷹」がポイントになっていましたね。

鳥は自由の象徴ですが、テルーの唄では自由に空を舞っているのに「孤独」の哀しさを歌い上げていました。

自由って本能のままに生きることでは無いんですよね。自分の五感と頭が芯から納得する生き方を貫いていくということ。そうすると俗世間とは相容れない事がしばしば出てくる。そういう淋しさを 孤独 として歌い上げているのかな。
また、世の中の何かを変えようとする人は、必ず孤独を味わいます。深く暗い海を彷徨うなようなさみしさを。それこそ、鷹のように一人で空を舞うさみしさを、、、。


金曜ロードショーから何度もローテして観てます。
映画中の街中の音楽も好き。私は良い映画だと思います。
まこ

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