原題「Alice Doesn't Live Here Anymore」。アリスはここには住んでいない。スコセッシの最初期の作品で日本で公開された初の作品。夫の事故死で放浪の生活を強いられたアリス（エレン・バースティン）。歌手になることを夢見ていたが歌では食べていけない。息子も養わないといけない。男運も悪いようだ。そこへ牧場を開くクリス・クリストファーソンと出会い人生が変わる・・・。母子家庭の貧困と暴力男だろうがそれでも家庭を支えるには我慢せざるを得ない女性の環境は、何も昔のアメリカに限った話ではない。そういう意味で本作のラストはうまくいき過ぎなようにも思えるが、それでも幸福のかけらを掴もうとするエンディングは胸をうつ。息子のギター友だちで出てきたジョディ・フォスターが少年のようだった。
