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アメリカン・サイコのmentaikosanのレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.2
【ホラーも極限に達すると愉快系映画】

◾️あらすじ
父親の営む投資銀行で副社長を務めるベイトマンは、いかに良いレストランを予約するか、いかに良い名刺を持てるか、いかに良い部屋に住むかを競う世界で生きていた。
そんな生活の中、ベイトマンは殺人への衝動を抑えられずライバルや関係を持った女性たちを次々と殺していく。

◾️感想
久々に見たくなって見直し。

見栄と建前の世界で生きる主人公は空っぽの自分を満たすために殺人衝動に駆られるのだが、狂っていく主人公に周囲は気づかない。
なぜなら周囲も空っぽだから。

アイデンティティが名刺とレストランの予約と住居という空っぽな世界。
その証拠にアイデンティティの証明になるはずの名前がこの映画では意味を為しておらず、とてもあやふやに描かれている。みんなテキトー。そこらへんの映し方の塩梅が絶妙。

妄想と現実の境界を明確にせず、侵蝕してくる狂気の見せ方も絶妙。

そんな具合なので世界観に没入できるけど、共感はできない。みんなクレイジーだし。

以前見たときベイトマンのことなんだこいつって思いましたが、今回見直してみて改めてなんだこいつって思いました。