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街のあかりのsadieのレビュー・感想・評価

街のあかり(2006年製作の映画)
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アマプラのアキさん祭りの作品群の中では、最もストーリー性に富んだ映画だと思う。

うだつの上がらない生活を送る青年が理由もなく逮捕され刑務所での生活を余儀なくされ、その後出所し生きていくといった流れは、『真夜中の虹』との類似点を見いだせるだろう。

しかしながら本作ではその青年と彼を取り巻く人々の関係性がより複雑で、その複雑性によって起きる災難や個人ではどうにも抗えない現実に翻弄されるという不可思議かつ深みのあるストーリーが展開されていく。

とはいっても胃がもたれるような重々しい作風には決してもってこないのが脚本家としてのアキさんの腕の良さであり、どこか「ちょうどいい」といった感覚に至らす生暖かい空気が漂う映画を撮ってしまうのはさすがとしか言いようがない。
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