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HOUSE ハウスのぉゅのレビュー・感想・評価

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
3.9
2021年 鑑賞 21-168-7
「ねらわれた学園」「時をかける少女」等の、大林宣彦監督のファンタジー・ホラー作品。当時CM監督として活動していた大林宣彦氏の初劇場用映画監督作品。
本作の登場は一種の “映画革命” (元祖Jホラー、元祖アイドル×ホラーとも)をもたらしたと評される作品。

闇夜に姿を現す美女の幽霊。幽霊の正体は女子高生のオシャレこと、木枯美雪(池上季実子さん)。音楽家を父に持ち、東京郊外のお嬢様学校に通う彼女は、お嬢様然とした風貌に反し、金持ち呼ばわりを嫌う明朗快活な現代っ子。演劇部のエースとして「化け猫伝説」の練習に励んでいたのである。親友で同じ演劇部のファンタ(大場久美子さん)もオシャレの勇姿を撮影していた。夏休みが近いある日、オシャレは突然帰国した父(笹沢左保さん)から再婚相手の江馬涼子(鰐淵晴子さん)を紹介されショックを受ける。夏休みに父や再婚相手と軽井沢に行きたくない彼女は、いつも演劇部の合宿先に利用していた旅館が一時休業になったと知らされ、代わりの合宿先に長年会っていなかったおばちゃまの家を提案してしまい...

池上季実子さん、大場久美子さん、若いっ!池上さんのお顔立ちがはっきりとあったので一発でわかったが、大場さんはおぼこ過ぎて一瞬分からなかった。父の再婚に反対し、軽井沢行きをやめ、演劇部の合宿に参加するのだが、いつも使っていた民宿が一時休業で、オシャレの伯母・おばちゃまこと羽臼香麗(南田洋子さん)の元へ行くことになる。再婚がわかったオシャレの気持ち、母(池上季実子さん:1人2役)の写真に向かって問いかける言葉のじわじわっとしたものを感じる...

駅や電車のシーンからは、めっちゃポップ。CM監督の時代のセンスから妥当な!ストップモーション、モノクロ映像、全体モノクロで赤のみカラー等。スイカ売りの裸の大将?、トラック野郎の男性、ラーメン屋台の店主が熊、ラーメンすすりのおっちゃん、寅さんのそっくりさんと、パロディやコメディシーンも多い。
だが、井戸へ行ったマック(佐藤美恵子さん)が帰って来ず、見に行ったファンタは、井戸でマックの生首を見つけ... おばちゃまがスイカを食べた時の、変な音の後に口から見える●●にゾッとした。

まさしく青春ファンタジーJホラー!奇妙で度肝抜かれる映像の連続。三面鏡のシーン、布団のシーツは圧巻だった!
ファンタのみ妄想、東郷先生(尾崎紀世彦さん)の白馬の王子シーンは、レア度が高い!

家(ハウス)自体が化け物なのか(だから、おばちゃまは羽臼)?オシャレが出てからの展開、家を出れない、残されたファンタら4人。白無垢、ピアノの「ねらわれた学園」っぽい光、無くなったメロディー(田中エリ子さん)の指、ファンタの寄り目、あの柱時計、回転する映像、血塗れピアノと●、服から出てきた金魚... アイドル映画っぽさやコメディシーンを挟みつつ、ファンタジーなホラーシーンの展開が癖になる映像の数々... そりゃ当時は顰蹙買うな... アイドル観る観客が多いもの... 前衛的だし、時代が追いつけなかった、早過ぎた奇作品という風に感じた。

おばちゃまの白髪、白猫のシロ、白無垢... 赤い光、スイカの果肉、赤い水... まるで紅白奇天烈合戦のよう... 白無垢姿の池上季実子さんとあの表情は一見の価値あり!和服姿のオシャレの表情は... あの女性を... そして白猫...

永遠の命は愛...

脇やカメオ出演が豪華過ぎ!尾崎紀世彦さん、笹沢左保さん、ゴダイゴのみなさん、壇ふみさん、小林亜星さん、三浦友和さん、大林宣彦監督ら... 笹沢左保さんって、作家の先生だよね?
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