ナガサワ

ファイト・クラブのナガサワのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
5.0
冒頭からめちゃくちゃ面白い。
様々なグループセラピーに参加し、行き詰まった人々をみて自分の精神を安定させていくのがブラックすぎて逆に清々しさを感じる。

タイラーの魅力がすごい。
ブラッドピットの肉体美だけではなく、セリフや立ち振る舞いからカリスマ性が溢れている。
殴り合いを見せられているだけなのに、なぜかものすごい哲学を感じる。
どうしたら物質主義という哲学から殴り合うという行為にたどり着くのか、めちゃくちゃ過ぎて頭の中身を知りたい。
でもデタラメさは一切感じなくて、殴り合う以外の選択肢はないと思わされてしまう。
今まで見た映画のキャラクターで1番カッコイイかもしれない。

そしてラストが名シーンすぎる。
「変なタイミングで出会ってしまったね」
「これからはすべてよくなるよ」
全てがめちゃくちゃなのにこの異様な説得力はなんだ。
目の前の男は立ってるのが不思議なくらい重症で、目の前の景色はこの世の終わりのような光景。
でもマーラーの感じた安心感を容易に想像できる。
目も当てられないほど悲惨なシーンなのに、ずっと見ていたいと感じるほどの安らぎを感じる。

僕の理解力では何が言いたい映画なのかは完璧には理解できなかったが、この映画が評価されまくってるのも頷ける。
いつかまた見直そう。

殴り合いたくはないけど、死ぬまでに何かを爆発させてみたいよね。