としき

誰も知らないのとしきのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.0
ものすごい映画でした。エンターテイメント性はほぼありませんが途中から画面に引き込まれて仕方が無い。主人公の思春期に伴う脆さや各々のやり場のないわだかまりが丁寧に描かれてます。ゴールディングの蝿の王を彷彿とさせました。 しかし、それよりなにより怖気立つほどの生々しいノスタルジーのせいかもしれません。他愛ない遊び、なぜか家にあったおもちゃ、弟の言葉遣い。全てが あの頃 です。スタンドバイミーやニューシネマパラダイスが普遍的な郷愁を喚起させるとしたらこれは日本、しかも平成という固有の郷愁でしょう。ほぼ子供というキャストも、自然や自然、むしろこれは演技ではないです、日常を切り取ったような。素晴らしい出来ですが、ダンサーインザダーク同様できれば二度と観たくないです。
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