あらすじだけ見れば
派手なドンパチアクション西部劇
でもそんなことは一切ない
どこまでも静かに淡々と進んでいく
一人殺すにも躊躇うしなかなか撃てなかったりいざと言う時に足がすくんだり殺しを後悔したり
暴力の怖さを真っ直ぐリアルに描いたのが印象的
この哀愁というか無情な感じは最近のイーストウッド映画にも通づるものがあった
相変わらずの激渋映画
若い頃の彼の西部劇とか他の人のもだけど見たあとだと、この映画が異色なのがすごく伝わる
"許されざる者"は誰なのか
かつて無法者で大悪党だった主人公マニーか
彼を殺しに誘った賞金稼ぎか
主人公に同行してきた友人か
娼婦の顔に傷をつけた牧童たちか
そんな牧童達の処分に納得いかず私的復讐のため賞金稼ぎを募った娼婦たちか
よそ者を問答無用に縛り上げ暴力の限りを尽くす保安官か
周りと状況に流されっぱなしの物書きか
全員がそうだったとも言えるけど
それぞれの思想や考えにも理解出来るところがあって
誰にとっての正しい行いなのか、それが完全に間違ってないと言い切れるのか
このあたりは誰目線で見るか、どの感じ方をするかによって賛否なども別れると思う
モーガン・フリーマン演じる友人が、ターゲットを前にして銃を撃てなくなる一連のシーンは素晴らしかった
悪行を働いたやつだからといって殺してしまえば罪悪感や恐怖を感じる
まだ若い賞金稼ぎが初めて人を殺めた時の苦悩するシーンも印象的
"あいつもう二度と息をしない"このセリフめっちゃ頭に残ってる
友人が保安官になぶり殺され見せしめにされたことで復讐を心を決めた主人公の表情の変わり方よ
過去の自分に悩み不殺の誓いを立てていてもそれが最後まで破られないなんてことは無かったのが現実味があってよかった
綺麗事ですむわけがない
終わらない暴力の連鎖
命を奪う残酷さ
オーブニングカットとラストカットめっちゃいい