許されざる者の作品情報・感想・評価

「許されざる者」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

クリント・イーストウッドが、3年前に29歳の妻を亡くした役にしては随分老けているような気がした。

荒事からは足を洗って今回はお金の為にしょうがなく人を殺す、妻への想いがあるから女は買わない、というウィリアム・マニー。人を初めて殺して動揺するスコフィールド・キッド。西部劇で発砲や暴力シーンは多いものの、人間らしさや良心も意識的に描いているよう。
MiYA

MiYAの感想・評価

2.5
「午後のロードショー」にて。善と悪を相対的なものとして描いたという点では、かつての「勧善懲悪型」もしくは「アウトロー型」の西部劇とは明らかに一線を画しています。

かつて殺し屋として名をはせたロートルの主人公(クリント・イーストウッド)にせよ、町を守るために極端な行動をする保安官(ジーン・ハックマン)にせよ、人物は複雑で煮え切らない。物事をスパっとクリアカットしない態度には知性を感じますが、映画に「わかりやすさ」や「カタルシス」を求める人にはなかなか辛い作品です。テンポの悪さもちょっと気になります。
モーガンフリーマンとクリントイーストウッドのコンビやっぱりめっちゃ好きやわ。最後の一人で殴り込みに行くシーンでグラン・トリノ思い出した。結局クリントイーストウッドがかっこよすぎるんよなぁ。

このレビューはネタバレを含みます

昔々、あるところに酒飲み人殺しのろくでもないイーストウッドちゃんがいて、結婚を機に改心して大人しく暮らしていました。

しかし、出稼ぎのために賞金稼ぎに出発したが色々あって大事な人を亡くしてしまいます。悲しみと怒りに包まれたイーストウッドちゃんは復讐に燃え、辞めてた酒を飲み、無双して悪党をボコボコにしました。めでたし、めでたし。

最後の去り際のブチギレ感が強くて最高です。
かなりシリアスな西部劇で重厚な映像と骨太な人間描写はイーストウッド監督ならでは。彼の最高傑作だと思う。

映画のラスト近く、友を殺され復讐の鬼となりジーン・ハックマン演じる悪徳保安官を暴力でねじ伏せてしまう辺りはいかにもタカ派らしい発想だが、基本的に「ダーティハリー」の頃から何一つ変わっていない。イーストウッド節である。

本人自ら「人殺しはよくない」とカウボーイの若者に説教しつつ、結局暴力を行使せざるを得ないという矛盾したテーマを併せ持つところがミソで、本作以降どんどんそんな「矛盾を認める」カラーが強まっていく。

このような重苦しい映画を観た観客がイーストウッドの視点を「偽善的」と受け取るか「深淵」と受け取るかで本作の評価は二分化すると思う。根っからのタカ派映画人であるイーストウッドの苦悩がやたら画面から滲み出ている力作。有名なラストクレジットには感動します。
大木茂

大木茂の感想・評価

3.8
さすが最後の西部劇…

ヒーローのように上手くはいかない感じがなんともリアル
渋くて重く黒い、鉛のようなテイスト

ジーンハックマンの憎たらしい役がハマり
イーストウッドやモーガンフリーマンの初老ゆえにもたつく感じが哀愁や貫禄を醸し出す
これまで作られてきた西部劇の最終的な結論を、最も西部劇で成功を収めたイーストウッドが語るという点で、これ以上のものはない。罪というものは立場が違えば全く別の重みがあって、そこには正義・悪という単純な対立があるわけではないのだ。ラスト数分のイーストウッドは、あらゆる西部劇の中で一番格好良い。
MASAYA

MASAYAの感想・評価

3.6
渋いなあ。

序盤、年老いたイーストウッドの姿がもの悲しい。

でもいざというときの集中力の凄さよ。
ラストかっこいい。
悪党を罰するということは、正義でありながら罪でもある。
つまり、悪党は"許されざる者"だが、それに罰を与えたり復讐したりする主人公自身もまた、"許されざる者"であるということだ。
悪党の行いを許せず罰を与えることに賛同していたはずの正義感がある観客も、観終わってから、自分の考えは無責任で不徳ではないかと疑問を抱かされるのではないだろうか。


ある出来事や出会いを通して「荒んだ人物が良い方向に変わる」ストーリーはよくあるが、この物語では、良い方向に変わったはずの人物の「その後の人生」にスポットを当てている。
だから、主人公の過去がよく作られていて、それが物語での葛藤に大きく影響するという、大変優れた脚本だった。


キッドが初めての殺しを後悔するのがまた良い。あそこで後悔しなかったらキッドは長生きできないだろう。


クリント・イーストウッドは自分の老いぼれ感を映画に生かすのが巧いなあ。
静かな西部劇。許されざる者とは誰を指すのかと考えてしまう。

前半はイーストウットが豚を追っては倒れ、馬に乗ろうとしては転がり、すご腕殺し屋の面影がない老体をこれでもかと晒していたけれど...ラストの15分の眼光鋭さ。
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