許されざる者の作品情報・感想・評価・動画配信

許されざる者1992年製作の映画)

Unforgiven

上映日:1993年04月24日

製作国:

上映時間:131分

3.8

あらすじ

『許されざる者』に投稿された感想・評価

【西部劇の大嘘】

農場で静かに暮らしていた老ガンマンが再び銃を取る話だが、語られるのは「西部劇の嘘」であり「暴力は連鎖する」。後者は後の『グラントリノ』にも受け継がれ、イーストウッドの後半生のテーマとなっていく。

対峙するのが『ダーティーハリー』と『フレンチコネクション』で同時代の暴力刑事を演じた二人というマッチアップが面白い。暴力という罪への罰として暴力が行使されることの是非。この答えの出ないテーマを語るに相応しい二大俳優の共演は見応えあった。

殺伐とした物語だが(顔を見ることはない)主人公の妻の存在が救いだ。血に塗れた主人公の人生の中で、妻と過ごした十年程だけが異質に輝いていた。それを示唆するようなプロローグとエピローグに挟まれた構成によって、どこか救われたような気持になれる。イキがるキッドが悪の道に陥らなかったのも女性の力か。あの娼婦たちとの触れ合いが大きかったように読み取れる。

自身が西部劇で名を成しただけでなく、師匠格のセルジオ・レオーネやドン・シーゲルも縁浅からぬ西部劇。その西部劇を完全否定するイーストウッドの潔さに感服。
マニー、一応キッドのところへ行ったけど殺しを躊躇うのかと思えばそんなこともなくて良かった。暴力が暴力を生む最悪なサイクルのはずなのに面白い。最後の雨にうたれながら町に警告するマニーの姿、驚くほどカッコいい。後ろ姿で去っていくシーンをみて、まだまだマニーの人生は続くんだなと。許されざる者とはだれか。劇伴がほとんどなくて、現実味と緊迫感があって良かった。
大学時代ぶり。
端から端まで陰惨で、モーガン・フリーマンの奥さんがライフルの銃底を見つめるショットから子供がイーストウッドを見つめるショットまで陰惨なんだけど致命的に面白い。

ジャンルそのものを畳もうとする映画なんて、否定されてしかるべきなのに、野郎が振るう暴力が「映画として面白い」のが本当に凄いし背徳的。
あの物書きのメガネが、イーストウッドの殴り込みに対して口角を無自覚に上げてしまうショット、あれは画面の向こうにいる俺だ。

どうしても、映画、フィクションの中にある野蛮を、暴力を、地獄を楽しんでしまう。
あのショットガンを向けるイーストウッドの面を覆う影に引き込まれてしまう。
境界線の演出も、シレッとし過ぎていて凄い。

主人公が一生懸命病気の豚を仕分けしている豚小屋の柵から一貫して「境界線」を意識した演出がされていて、モーガン・フリーマンの自宅を尋ねる時の小川もそれに当たるんだけどこの爺さんの食えん所は「彼岸と此岸の狭間を超えるショット」をシレッと編集で切るか引きで処理する。

確かに、殺人者と非殺人者の間を隔てるラインはカメラに映っているんだけど、最悪の殺人者マーニーはそれをすんなり超えてしまう。そこに劇的な要素は何一つとしてない。
馬に乗るのは大変だけど、馬に乗ってからフリーマンの家に向かって小川を超えるのは容易い。

多分、地獄にもすんなり足を踏み入れる。そういう男を捉えた映画だ。
だからすんなり子供達の元に帰れてしまう。
だが、その瞬間は撮らない。
「捜索者」の方が、あのバックショットで劇的に終わる分まだ優しいのでは・・・と考え込んでしまう。
Blu-ray📀所有、再鑑賞。クリント・イーストウッド主演・監督作品。師匠であるセルジオ・レオーネ監督とドン・シーゲル監督に捧げた異色西部劇。

保安官にジーン・ハックマン、賞金稼ぎにクリント・イーストウッドとモーガン・フリーマン、三大スターの共演です。悪と善、誰が許されて、誰が許されないのか。二つに一つではなく、多様性を認めよと言うことなんだろう。日本でも渡辺謙主演でリメイクされています。

1870年代の米ワイオミング。かつては無法者として悪名を轟かせたウィリアム・マニーだったが、今は若い妻に先立たれ、2人の幼い子どもとともに貧しい農夫として静かに暮らしていた。そこに若いガンマン、キッドが立ち寄り、賞金稼ぎの話を持ちかける。

92年度のアカデミー賞では作品、監督を含む4部門を受賞した。
Yutaka

Yutakaの感想・評価

4.2
イーストウッドの師であるレオーネとシーゲルに捧げられた最後の西部劇と言われる本作。実際にアメリカの神話的な誇張された西部劇を解体したような作品だった。メタ的な存在として作家がいるのも面白かった。
暴力描写が異常にリアル。それまでの西部劇は、スマートな決闘が多かったが、本作では、卑怯な殺し方もするし、殺した後の苦悶までも描いている。暴力、殺人の本質がここに表れている。
暴走する正義を演じたジーン・ハックマンはまさにアメリカという国そのものだと思う。普段は温厚だが、ファシスト的な1面も持ち合わせるその二面性が怖かった。
イーストウッドは人間の醜悪さを炙り出すことに長けていると改めて感じた。

このレビューはネタバレを含みます

若い頃はやんちゃしたぜエピソードを言わない所がカッコいい。心当たりある奴見習え。

イーストウッドが銃抜いた時の実家のような安心感。(相手はそれどころではない)
もう少し保安官が悪代官してたらと思ったが、それも良さなのかもしれない。

断酒はしません。
HU

HUの感想・評価

3.7
西部劇にリアルを入れるとこうなるのかという実験的作品。

彼を強くしていたのは世の中や人の不条理だったのだなと思わせる人格変化スイッチの入り方が印象的。

しかしイーストウッドやモーガンフリーマンの騎乗姿はカッコいい。久しぶりに若干若い頃の2人を見てグッときた。
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞
【リアルな西部劇は格好悪い⁈】

『クライマッチョ』鑑賞後、イーストウッドの傑作西部劇が観たくなり、未レビュー再鑑賞。過去数回鑑賞、多分10年以上振り。再見してスコアアップします。

クリント・イーストウッド製作・監督・主演、アカデミー作品賞をはじめ4部門を受賞。映画作家として世界的な評価を決定づけた、映画史上に燦然と輝く傑作ウェスタン。

受賞歴
・第65回アカデミー賞9部門ノミネート
(脚本・主演男優・撮影・美術・音楽賞)
4部門受賞(作品・監督・助演男優賞・編集賞)
・第50回ゴールデングローブ賞
4部門ノミネート(ドラマ部門作品・脚本賞)
2部門受賞(監督・助演男優賞)
・第46回 英国アカデミー賞6部門ノミネート(作品・監督・脚本・撮影・音楽賞)
1部門受賞(助演男優賞)
・第27回 全米映画批評家協会賞受賞
(作品・監督・助演男優・脚本賞)
・第57回 ニューヨーク映画批評家協会賞 助演男優賞受賞
その他、多数の映画賞受賞

原題 『Unforgiven』

1992年米作品
監督 クリント・イーストウッド
脚本 デビッド・ウェッブ・ピープルズ
音楽 レニー・ニーハウス
撮影 ジャック・N・グリーン
出演 クリント・イーストウッド ジーン・ハックマン モーガン・フリーマン リチャード・ハリス ジェームズ・ウールヴェット フランシス・フィッシャー アンナ・トムソン 

日本語字幕 松浦美奈

(NHK番組内容より)
1880年、ワイオミング。列車強盗や殺人で悪名を轟かせていたウィリアム・マニー(イーストウッド)は、今では銃を捨て2人の子供と農場を営みながら密かに暮らしていた。しかし家畜や作物は順調に育たす、3年前に妻にも先立たれ苦しい生活だった。
生活苦からやむなく再び銃を手にし、かつての仲間・ネッド・ローガン(フリーマン)、スコフィールド・キッド
(ウールヴェット)と共に、賞金稼ぎに出発するが、町には鬼保安官と恐れられるビル・ダゲット(ハックマン)が待ち受けていた……。

名優たちの存在感、深い余韻を残す物語、暗く美しい映像で、アカデミー作品賞をはじめ4部門を受賞。大スター、クリント・イーストウッドの映画作家としての世界的な評価を決定づけた傑作ウェスタン。

銃を捨て密かに暮らしていた老ガンマンが、賞金稼ぎのために再び銃を取る姿を描く西部劇。

前回の観た記憶は、全般に暗い画面だったが、今回観てかなりイメージが違っていた。

黒澤明の『羅生門』、『七人の侍』で描かれた真の戦いは泥臭く格好悪いもの。
そして、イーストウッド監督も、これまでの西部劇で描かれてきた描かれ方を覆しリアルに泥臭いもの、格好悪いものとして描いたことが素晴らしい‼️



以下ネタバレあり注意



【泥臭さを感じるシーン】
・マニーの妻が数年前に亡くなったのは天然痘。当時はワクチンも無い時代。

・マニーの家の中は、昼間でも薄暗く、夜はランタンが有っても薄暗い。町の酒場も同様。

・10数年ぶりに銃を手にした主人公マニーが練習するが、全く当たらない。
同様に、馬に振り回されて乗れない。

・肝心な場面で銃の不発。

・賞金首の1人を見つけネッドがライフル銃で狙うが撃てず、マニーが代わりに撃つが中々当たらず、やっと仕留めるが、直ぐには死なず水を欲しいと泣き叫ぶ。
そして、ネッドは自信を失い離脱する…

・トイレに入っている2人目を狙ってスコフィールド・キッドが襲う。相手はパンツを脱いで無防備、震えて直ぐに撃てないキッドがやっと仕留める。

・その後のカウボーイとの銃撃もお互い相手にかすりもしない。キッドは実は目が悪く50m先も見えない。
マニーがキッドに手に入れた賞金でメガネを買えとしきりに勧めるのもこのためだ。

そして、『七人の侍』では侍を雇うのは農民だが、本作で賞金を出すのは、町の娼婦たちというのも捻りがある。
そして、その被害者の怪我の状態が伝聞で話が大きくなっているのもそうだ。

脇役ではダントツで鬼保安官リトル・ビル・ダゲットを演じたジーン・ハックマンが高圧的なヴィランを熱演し、アカデミー賞助演男優賞受賞。

イーストウッドはハックマンに要求した役のモデルは、ロサンゼルス市警の元本部長であるダリル・ゲイツである。(Wikipediaより)というのも興味深い。
LA暴動の要因となったマイノリティへの弾圧を指揮。

マニーの旧友ネッド・ローガン役モーガン・フリーマンも息のあった相棒役は良かったが、死んでからの演技も大変⁈
実際はこの様に死んだ犯罪者を晒していたのだろうと思うと胸糞。

娼婦役ストロベリー・アリス役フランシス・フィッシャーは、リーダー的強気な性格。最初、元愛人のソンドラ・ロックに似てる⁇と思ったらフィッシャーでした…

クライマックス
マニーがネッドの仇討ちに酒場へ乗り込むシーンは、泥臭くも格好イイ‼️
一発では相手を倒せない。

音楽は、インストウッド監督作品の常連、レニー・ニーハウス。アカデミー賞音楽賞ノミネート。
ノンクレジットだがメインテーマはイーストウッド自身が担当。

エンドロールのラスト
イーストウッドが、師と仰ぐセルジオ・レオーネとドン・シーゲルに捧げた「最後の西部劇」。
西部劇の全てにオマージュを捧げた作品だと思う傑作でした‼️



AFI(アメリカ・フィルム・インスティチュート)選出の「アメリカ映画ベスト100」(1998)の98位に選出。

2004年アメリカ国立フィルム登録簿に登録


過去スコア3.9 →今回4.4へ
過去イイネ 9件
ありがとうございます‼️

【忘備録】ネタバレあり注意
(登場人物・キャスト)Wikipediaより

・ウィリアム・"ビル"・マニーBill Munny
演 - クリント・イーストウッド
アウトロー。極めつけの悪党とまで言われていた。妻は天然痘で死んだ。2人の幼い子供を抱える。

・ストロベリー・アリス 
Strawberry Alice
演 - フランシス・フィッシャー
情婦。強気な性格。
ソンドラ・ロックに似ている⁇

・リトル・ビル・ダゲット
Little Bill Daggett
演 - ジーン・ハックマン
保安官。高圧的な態度で町を支配する。
建築中の家はどうなる⁇
演技モデルは元LAPD本部長⁈

・ネッド・ローガン Ned Logan
演 - モーガン・フリーマン
農夫。マニーの友人。先住民のサリーという妻がいる。射撃の腕はもちろん、観察力もよくキッドが近眼なのがわかった。拷問を受けて殺害され、死体はさらし者にされる。
死体の演技も名演。

・イングリッシュ・ボブ English Bob
演 - リチャード・ハリス
ガンファイター。見せしめにリトル・ビルにリンチされる。その後、町から追放される。
名優が早々に退場し残念…

・スコフィールド・キッド
The Schofield Kid
演 - ジェームズ・ウールヴェット
マニーの元を訪れた若い男。殺し屋だが歴は浅く5人しか殺していないというが実はハッタリで本当は今まで誰も殺したことがない。いうほどの悪党ではないが猜疑心が強くマニーと一緒にいたネッドの素性を知らなかったことから威嚇射撃をした。実は近眼で視力が悪く、50m先が見えるかどうかのほど。しかし、マイクを射殺したことで、とうとう人殺しとなり、このプレッシャーに耐え切れず、殺し屋を引退することを決意する。
いい決心でした。

・W・W・ブーシャンプ 
WW Beauchamp
演 - ソウル・ルビネック
作家。ボブの付き添いで街に来た。
ボブ追放後は保安官に取材する。

・クイック・マイク
演 - デヴィッド・マッチ
カウボーイ。キッドに射殺される。

・デライラ Delilah Fitzgerald
演 - アンナ・トムソン
娼婦。暴行を受けて体を傷だらけにされた。瀕死のマニーを献身的に看病する。

・デービー・バンティング(デービー・ボーイ)
演 - ロブ・キャンベル
カウボーイ。マニーたちと戦い腹を撃たれて死亡する。

・スキニー・デュボイス
演 - アンソニー・ジェームズ
酒場の主人。
娼婦たちを都会から連れてきた商売人。

・ウィリアム・"ウィル"・マニー・Jr
Will_Munny
演 - シェーン・メイヤー
マニーの息子。少し口が悪いが父マニーの言いつけは素直に従う。
TOPGUN

TOPGUNの感想・評価

2.5
モーガン・フリーマンやキッド、保安官、イングリッシュボブのこの4人ともが自分の銃の腕前に自信を持っていたが、最終的に自分の銃で戦って勝ったのはクリント・イーストウッドだけという描写は彼が本当に強いということを表す工夫だなと感じた。
友達が殺されたことをきっかけで昔のさながらの腕前で保安官を倒す終わりは気持ちがいいが、そこまでの弱々しいクリント・イーストウッドの時間が長く、辛抱が必要だった。
イガワ

イガワの感想・評価

5.0
イーストウッド、ハックマン、フリーマン。
この3人が出てるだけで傑作。
作品は、いろいろいいたいけど。
監督作品であると同時に、俳優作品の傑作。
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