イニャリトゥの作品はすべて好きだけれど、中でもこれが1番好き。
ものすごく重たい映画なのに刺さってしまう。
それでも人生はつづくのだということ。
イニャリトゥお得意の時系列をいじった演出、カメラの手ぶれが醸し出すリアリティ、各キャラクターの背景、過度な演出をしないうまさ、俳優陣の説得力ある演技、どれをとっても素晴らしい。
余命1ヶ月ドナーを待つ男、薬物依存の過去はあるものの今は幸せな家庭を築く女、前科者の信仰深い男、一つの事故が3人の人生を交差させる。
3人それぞれの物語がどの時間軸なのかわからず掴みきれない。なんの説明もなしに場面が切り替わっていく。その断片的な物語が徐々に繋がりだしたとき、心が動かされる。
心臓をもらった男、家族を奪われた女、その家族を奪った男、それぞれのラストカットが好き。
人は死ぬとき21グラムだけ軽くなる。