半兵衛

猫が変じて虎になるの半兵衛のレビュー・感想・評価

猫が変じて虎になる(1962年製作の映画)
4.0
落語ネタを扱っている映画としては上位に入るくらい出来のいい、そして笑える映画。

普段気が小さいが酒を飲むと性格が180度変わる(しかもそれが原因で客を死なせた)保険外交員の小沢昭一、いい加減な殺し屋長門裕之も良いのだけれど、それ以上に由利徹の存在感が凄い。いつもは脇でふざけた演技をちょこっとだけ見せている彼がこの作品では元ネタの『らくだ』における乱暴な馬役(網走帰り!)で出番が結構あり、しかも笑いのキレが冴えている。

そして主役の二人が死んだ由利徹を悪人たちのところへ連れていきダンスをさせるシーンは映画史どころか日本の笑いの歴史に残る名シーンと言っても過言ではないと思う、最初は二人に操られていた死んでいる由利徹が一人で勝手にダンスする姿はチャップリンやキートンに拮抗している。
半兵衛

半兵衛