Maoryu002

ロード・オブ・ウォーのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
3.7
ウクライナ移民のユーリ(ニコラス・ケイジ)は弟とともに武器売買で成功する。やがてインターポールのジャック(イーサン・ホーク)に追われながらも、憧れのエヴァ(ブリジット・モイナハン)と家庭を持つが、紛争と虐殺の世界から抜けられなくなっていく。

「ガタカ」「ドローン・オブ・ウォー」のアンドリュー・ニコル監督による犯罪ドラマ。
オープニング、一発の銃弾が製造され使われるまでを追う映像が凝ってて面白い。

犯罪アクションとして、あっという間に船籍を替えたり、10分で輸送機の証拠を消したりはお見事だったけど、これを笑って観てちゃいけない。
描かれる “必要悪” は、回り回って許されざる非人道的行為と化し、これが強国と軍需産業と紛争の実情だと訴えてくる。
その視点では、テーマの割にちょっと娯楽色が強すぎた感じはした。

酷い作品にもたくさん出てるニコラス・ケイジだけど、太々しさを見せながらも、家族への愛情も捨てきれないユーリというキャラは、人間の生々しさが出ていた。
彼の救いようのない生き方を見ていると、自分の人生の価値をどこに求めるかという、哲学的な世界にも入り込みそうだ。

そして、一番印象に残ったのは、劣等感と罪悪感に苦しみ続けるジャレッド・レトーの悲壮な顔だった。
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