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ジョゼと虎と魚たちのNのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
5.0
見ている時じゃなくて、見終わった後にふと泣いてしまった映画ははじめてだった
辛いはずなのに、この映画の登場人物の誰にも哀れみの感情を持たなかった、この設定でこの結末でセンチメンタルにならず描けているのが本当に凄いと思った。絶望のなかにずっと励ましや希望が淡く潜んでいる感じ、全く現実離れしていないのに、むしろとても現実的なのに、本当に純度の高い映画。

フィルムで切りとった風景が、どれも素直で、当時を生きていないのに、懐かしく胸を締め付けられた
この映画は時が経てば経つほど、より深くより色鮮やかに暖かく懐かしさを含んでゆくのだと思う
本当にずっと廃れない世界なのだと思う

くるりの音楽も映画に挿入された曲ではなくて、この映画の欠かせない一部となって美しく響いていた
このサントラのレコードがあるならほんとに欲しい
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