キューブ

エイリアン2のキューブのレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
4.5
 映画界にはたまに1作目よりも面白い続編が作られることがある。エイリアン2もその一つだろう。
 前作ではSFホラーとしての色合いが強かったが、今回は監督がジェームズ・キャメロンに替わったので、完全にSFアクションに様変わりしてしまった。でもそのおかげで今見てもテンションが上がる秀作アクション映画として歴史に名を残しているのだ。前作よりも多少は大味感がある。例えば登場人物の人物描写は前の方が巧みであったし、エイリアンという存在自体がよく分かっていないということがとてつもない緊迫感を生んでいた。だが今回はそれらがこれっぽちもない。
 では、なぜ2作目の方を評価したか。それは切り口の問題だ。先に書いたように今回は「アクション映画」として制作されている。だから暗闇から急におそわれるシーンの必要性もないし、大量に襲いかかってくるグロテスクなエイリアンを(オタクのキャメロンらしい)バカデカイ銃で撃ち殺すことがこの映画で最も重要なことなのだ。前よりもVFXは格段にレベルアップしているから、エイリアンも飛んだり跳ねたり大忙しだ。エイリアンを殲滅するために核を使ったりするのは非常にアメリカ的でアレだが、様々な近未来的ウェポンが登場するのはSF好きとしてもうれしい。完全に別の物になっているのに、むしろ面白くなっている映画なんてこれだけじゃないだろうか。
(11年6月3日 BS 4.5点)
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