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ヒューマンネイチュアのVのレビュー・感想・評価

ヒューマンネイチュア(2001年製作の映画)
4.0
大好きな脚本家チャーリー・カウフマンが、ゴンドリーと再タッグを組んだコメディ映画『ヒューマンネイチュア』

区分はコメディだが、人間の起源や衝動性、理性をテーマに「人間たらしめるものって一体何なの?」という疑問を90分程度で密度高く突き詰めている作品で、結構深いし、時計仕掛けのオレンジと同じようなバイブスを感じる。

一番本作の中で人間に近い人(イメージする理性的な人間像)は

1位: 全身毛深い女 
彼女は一番自分の衝動をコントロールしていたし、普通の人間と違うと思っていたからこそ普通の幸せを掴める人間になろうとしていた。
最後サラ・コナーみたいで良かったな。
一度野生になるも、また社会のシステムに戻り
パフという1人の人間(猿人)の尊厳を守ろうとした。

2位: パフ 
野生出身とはいえ、本当の意味での猿人類ではないし、そして博士によって一旦教養をつけられ野生に戻るもやっぱり最終的には社会のシステムに乗っ取った方が生きてくのに楽だと理性的に考えていたので結局結構人間らしいのかなと思う。

3位:博士の家族
新しい養子にはゆるい。そういう理不尽なところとか一貫性のなさ、気分屋的なところ、人間(博士)の気持ちを推し量れてないという点で、言うなれば登場人物の中で一番罪な人たちかもしれない。

最下位: 博士・フランス女 同列

一番本能に従っていて理性的な人間とは程遠い人たち、それが博士とフランス女だったかなと思う。いくらテーブルマナーができようが、美しい容姿を持っていようが、他言語が話せようが、理知的な職業にいようが、やってることは猿人類と変わらない。

人が自然や動物に対して行う身勝手な“施し”へのアンチテーゼとしてもこの作品はよくできてるなーと思う。
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