安田道代は一瞬で空気を変えられる女優で「悪魔のようなあいつ」の彼女が象徴的だと思っている
こちらは(準)主演だけに出ずっぱり
その魅力、魔力が作品の随所に散りばめられている
端折ってしまうと安田道代が小沢昭一、田村正和らを奔放に手玉にとっていくわけだが、小道具として登場する彼女のスチール写真が素晴らしく、男性心理の昂りをうまく表している
一見、昭和昭和した日本ドメドメの映画だけれど、フランスあたりでリメイクしてもよいような洒落た雰囲気もある
安田道代を超える「女」の体現者がいれば、だけれど
倉石功の存在も大きいのかもしれない
顔立ちといい体躯といい、日本人離れしているし、赤のオープンカー(シムカ)の運転席がよく似合っていた
そのまま当時のアランドロンあたりに置き換えても違和感がないくらいだ
この作品における安田道代的「女」は日本、少なくともアジアでないと成立しづらい気もする
成熟年齢と道徳観、体型、男性から見た女性観…その理由はいろいろだろうけれど
こういった作品を翻訳を介すことなく母国語で鑑賞できることに感謝