すあま

エレファントのすあまのレビュー・感想・評価

エレファント(2003年製作の映画)
3.6

ワンカットのうちに登場人物を移りかわらせているシーンでは非日常が日常との連続の中で発生するというメッセージ性を感じた。

あくまでコロバインをそのままなぞるのではなくエリックという名前から連想させる程度にとどめているのは、事件の背景にあるいじめや銃社会がどの学校だとしても起こりうるのだと示しているだろう。高校生は実名がそのまま役名になっていて彼らも実際にこうなっている可能性があったかもしれない不安感がある。

登場人物の動きはそれぞれがバラバラであり、被害者となるものもいれば、友人が被害にあう者もいるし、興味本位で逃げない者もいる。逃げるという当たり前のような行動もその瞬間には不自然になるのかもしれない。

友達の多い生徒の周囲はボケないのに、一番友達のいないであろう生徒の周囲は人がいることが分からないくらいボケていて、それぞれの住む世界、視線の違いを感じ取れた。
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