エレファントの作品情報・感想・評価

「エレファント」に投稿された感想・評価

後ろから追いかけるカメラワークで
男の子たちの襟足のクセがとても愛らしくて、
突然の若者の衝動で
静かなのに穏やかではない。
十数年ぶり。
歩く役者を後ろから追っかけるカメラワークは、まるでシューティング系のゲームのようであり、シャイニングのようなホラー的な要素も兼ね備えているのでは、と10代の頃から見方がガラッと変わったことに気づけた映画。
asuka

asukaの感想・評価

4.2
アドリブによる演技が軸になってて、あんな結末でもニュートラルかつ淡々と観ることができるから、無理やり丸呑みさせられたけどゆっくり喉の奥に落ちていく、みたいな感覚で入っていけた。これを映画と呼ぶとストーリーを要求しちゃいそうだから、ただの日常、現実っていう言い方のほうが良い気もする。80分でこの余韻っていう無駄のなさ。

たしか我らが五十嵐太郎先生が授業で喋っててクリップしたのを一年くらい放置しちゃってた。「今オンラインの時代では、インスタを筆頭とするメディアの影響で人々は無意識に正方形に囚われている。その変遷の途中にある一例がこれ」って言ってて、なんか納得。技術的なことはわからないんですが、カメラのアングルとかシーンの構図美みたいなのは何となく感じました。

いつか観返さなければいけないと思いながら、でも自分の感想さえまともに読み返せず、気がついたらあと数ヶ月で高校を卒業することになっていた。


彼らの日々はやっぱり私の日々でもあった。特定の誰かじゃない。ひとつひとつの描写がとても巧かった。静かに、淡々と、追う背中を変えて。それが怖かった。中学生の私はなにを思っていたんだろうと思い出そうとしながら観ていたけれど、忘れたのかどこかに仕舞ったのか、全然思い出せなかった。なんだか、数年前に好きだった曲を聴いても、その歌詞のどの部分に共感していたのかも分からなくなってしまったみたいに、寂しくなった。


けれど彼らが学校に乗り込んでからはとても怖くて、両手で目を覆って指の間から見つめていた。やっぱり「馬鹿野郎」って思った。


私「スクールカースト」という言葉が苦手です。明確にそこにあること、私はきっと誰よりも気がついていること、を知りながら、でもやっぱりあんまり言葉にしたくない。言葉にしなければ輪郭はすこしぼんやりとするから。
「海を分母に、空を分子にしたら、1を超えるのだろうか」と朝井リョウが書いていたことを思い出した。私を分母に、あの子を分子にしたら、1を超えるのだろうか。そういうのって、きっとみんな、本当は感じていたりするんだろう。


今考えるべきではないのであろうことばかり考えている。足踏みしているだけだと分かりながら、でも必要なことなのだと自分に言い聞かせている。生きるのはやっぱり難しい。苦しいことはかたちを変えてずっとあるのかな。

けれど、だからこそ、ただ静かに、でも見ないフリせずに描いてくれる映画があることは、とても大切なのだと思う。
私が「学校」という言葉を聞いて思い出すのは、やっぱりこの映画だ。と思う自分が悲しい。


「この映画の空の色が綺麗だった。誰かの背中から誰かの背中に移っていく。みんな生きてる。だからその生を誰かの生が殺してしまったらいけないんだなあ」と書いたあの頃の私へ、拍手、よく生きました、です。
775

775の感想・評価

3.1
謎にこの週末は朝5時に目が覚めてそこから映画を観ては再び昼まで寝付くというなんとも悪循環且つ不健康な生活を送りました。。

そんな目覚めてしまった朝方にとっさに観てみようと思った一本。

完全にジャケットと雰囲気でチョイス。
何の予習も無しに観ました。

胸糞悪いというか、 なんか気持ち悪く心理について来るというか。。笑
朝一発目で観るのは間違えたというほかにない笑

もしも私がこの作品を撮っていたら全くことの進まなさに嫌気がさしそう、と思った。。
(そういうベクトルじゃあないかあ)
このストーリーはどこまでが一番なうで動いていて、同じ時間を何シーン撮ってるのか。
時系列がよく分からなくなるというか。
(だから苦手なのかも)

淡々と、しっかりと、殺人計画を練っていたのが何だか突拍子も無い出来事なのに、現実で起きた話だからなのか凄く怖かった。

犯人の二人はいじめとかだけじゃなくて、ゲーム感覚で人を殺していたなぁ。。ゲームの延長線上にあるリアルがこれで、その火種がいじめだったというか。
精神異常者に分類されるのってこういう事なのか。。

終わりまで流れるピアノの音が妙に耳に染み付いて日の出と共に眠れなくなりました。。

雲が動くシーンが唯一の時系列を感じさせるというか、ガス作品はこういうテンポなのだとしたら少し苦手かもしれない。。

映画館でもし観てたら秒で寝てたなあこれ。笑
531

531の感想・評価

4.0
淡々と、凄く淡々としている。起伏がない。でもそれがよりリアルな感じがした。人を殺す、殺されるって理不尽で恐ろしい事なんだけど、あまりにも淡々としていて「こんなもんなの?」ってなる。だからより一層理不尽だと思った。高校生なら善悪についての判断はもう自分で出来るはずだけど、それでもやっぱり多感な時期の子たちには、きちんと丁寧に向き合う大人が絶対に必要な気がする。止められたはず。虐めも、事件も。
1999年のコロンバイン高校銃乱射事件を題材にした傑作。大勢の視点を通してその日を、その時を、感情移入せず冷徹なタッチで描いている。台詞は全てアドリブ。校内で交わされるごくありふれた会話やただ廊下を歩く後ろ姿などが延々と映し出される。多視点なので何度か同じ場面に遭遇もする。それは普通の映画ならまず描かれないもので、徹頭徹尾、物語っぽさがない。これは現実だ。彼らが経験したその日のそのままを、彼らの真後ろから見ているような感覚。苛め苦が動機の犯人に最初に殺されるのが、同じく苛めに遭う女の子だった皮肉がキツい。
94年コロンバイン高校銃乱射事件がモデルの作品。ジャケ鑑だったのですが、想像していたドラマとは全く違いました。
素人の高校生を起用、台詞や演技もアドリブだったことに驚き。
たしかに『明日、君がいない』と撮り方や雰囲気、無関心さから闇が生まれる点が似ています。
また、elephantについてガス自身は同名の作品から取ったと言ってますが "There is an elephant in this room." -触れてはいけない物事や人に対して使う、なんとも不気味で嫌な例え方もあるんだなと思いました。
i

iの感想・評価

1.5
ゲームをしているかのように人を殺していく少年。関係の無い人まで殺され、逃げるかのように自殺をした少年。哀れだと感じた。もう二度と観ない。
スクールカースト、うわべだけの退屈な日常、満たされない欲求、非日常と死への好奇心。ティーンズ特有の掴み所の無い影がずーっと渦巻いていた。
表情で見せる影は感情を探りやすく、ある種の説明だとすれば、背中で見せる登場人物の影は立ち入ってはいけない深淵の恐怖を感じる

個人的にこの映画のモデルの銃乱射事件のwikiより、こっちの方がリアルに感じた
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