超大作なんだけど、けっこう雑なんだけど、めちゃくちゃ感動する。
海に魅せられた男って印象だったけど、改めて観るとジャックはほぼイルカだった。海でしか生きられない存在なんだよね。
彼がプールからイルカを出してあげる場面があったけど、あれは彼自身の願望でもあって、ジャックにとって陸での生活はプールの中のイルカみたいな気分だったと思われるわけですね。
そんなイルカに恋をしてしまったヒロインは可哀想の極みでした。妊娠を打ち明けたのに、ジャックはまさにイルカのように海でばちゃばちゃ泳いでいて話にならない。こんなん普通だったらブチ切れるのに、そこは好きになってしまったんだから仕方ないということなのでしょうか。
この辺は一般的な男女観が逆転していると思う。というのも、普通は女性の方がより自然に近い存在だから。この映画のヒロインは安定した生活を望む理性的な人間の側にいて、男の方が理解不能なものになっている。そういうところはリュック・ベッソン的なのかなと思う。
それからエンゾとジャックの関係だけど、単なる競技へのライバル意識ではない。母なる海の愛をどっちが勝ち取るかということだと思う。エンゾが海で死んだとき、それは永遠の愛を手に入れることになるわけだから、ジャックもじっとはしていられないわけですね。
ラストシーンはあまりにもヒロインが可哀想でどうしようもないけど、自然界では夫婦で子育てをすることは少ないし、そんな感じのことをエンゾの恋人も言っていたから諦めるしかない。
go and see my loveは名台詞。
個人的には生涯ベスト映画！
